「今回のジャンボは、1年で最も“売り場のツキ”が重要になるジャンボだと考えられます」──そう語るのは“山ちゃん”の愛称で知られる宝くじ研究家の山口旦訓氏だ。

 バレンタインジャンボの発売期間は1月31日から2月23日まで。1等・前後賞を合わせた当せん金額は3億円(1等14本)だ。

「近年、女性の宝くじ人気が上昇していることなどを受けての名称変更」(山口氏)だというが、変わったのは名前だけではない。10万円以上の当せん本数は前年の約2倍(3万898本)となっている。

「三大ジャンボ(ドリーム、サマー、年末)に比べて、バレンタインジャンボは発売枚数が少ない。そのため例年、あの手この手の開運祈願などの“努力”をする売り場に当せんが偏る傾向が見て取れます。直近に高額当せんを出して勢いに乗っている売り場に幸運の女神が舞い降りることも多い」(山口氏)

 山口氏がツキを呼び寄せるキーワードとして挙げたのが上野動物園のパンダ「シャンシャン(香香)」だ。昨年12月19日から一般公開が始まり、バレンタインジャンボ販売開始直後の2月1日からは観覧時間が1日7時間に大幅拡大。さらなる注目を集めている。

「一般公開への応募は25万件。日本中から注目されて運気を集めるシャンシャンにあやかり、上野動物園のある東京・台東区をはじめ全国の“シャンシャン関連売り場”に注目しました」(山口氏)

◆御徒町に「パンダの門」が出現

 まずは上野動物園のすぐ近くにある宝くじ御徒町駅前センター(東京・台東区)。2012年の年末ジャンボでは6億円の1等前後賞を出し、高額当せん店として知られる。昨年の年末ジャンボプチでも1等700万円が2本。「開運招福処」の看板の下に小さな祠を祀り、ツキを呼び寄せている。

「バレンタインジャンボの発売期間中はこの祠にパンダをデザインした赤い門を設置し、“シャンシャン仕様”となります。宝くじを購入したら門をくぐり、“開運パンダ鈴”をシャンシャンと鳴らし、運気を高めてください。販売員もパンダ帽をかぶって幸運招来のお手伝いをします」(中野徳治店長)

◆浅草橋の「秀じい」もパンダ仕様に!?

 同じ台東区にある浅草橋東口駅前売場も注目。JR総武線・浅草橋駅東口にある売り場には、小さなボックスが3つ並んでいる。

「左端のボックスは宝くじファンの間で『宝くじの七福爺』と呼ばれる現役最年長販売員の秀じい(森秀夫さん。87歳)がいることで知られ、ジャンボの発売期間中、秀じいの窓口はいつも長蛇の列ができます」(山口氏)

 秀じいの窓口では昨年の年末ジャンボで2年連続となる2等1000万円、ドリームジャンボでも2等1000万円、さらに2016年のサマージャンボでは1等前後賞の7億円を出している。高額当せん額は20年間で40億円を超える。

「どうすれば福を招けるか常に考えていて、バレンタインジャンボの発売期間中は秀じいがパンダのかぶり物をして販売します。売り場には高額当せんしたお客様からお礼にいただいた鈴がいくつかあり、秀じいが宝くじをこの鈴にこすってお渡ししています」(森正生店長)

◆北海道にも、宮崎にも“シャンシャン”がいる

 北海道・室蘭市の室蘭中島CC。同店は「シャンシャン共和国商店街」に隣接しており、昨年来、パンダに模したパンケーキを販売するなど、“シャンシャン特需”に沸いている。それに伴い売り場も、「昨年の年末ジャンボプチで1等700万円と年末ジャンボの3等100万円を出して運気は上昇中」(山口氏)だ。

 九州では宮崎・日南市の日南タイヨーCCだ。毎年10月下旬に開催される九州三大祭りのひとつ、宮崎神宮大祭では、御神幸行列が名物。中でも注目は新婚の花嫁を乗せる“シャンシャン馬行列”だ。馬につけた鈴の音がシャンシャンと聞こえるため、こう呼ばれるようになった。

「シャンシャン馬誕生の地が宮崎県日南市にある『鵜戸神宮』です。鵜戸神宮は“日本民族の祖神誕生の聖地”ともいわれ、神話の時代からのパワースポットとしても知られる。昨年はロト6で1億3700万円という高額当せんが出ましたし、ツキが寄ってきていると思います」(吉川正倫店長)

※週刊ポスト2018年2月16・23日号