「僕の大好きな彼女は今、中年のおじさんのなかにいます」――。最愛の人を失った上に、見知らぬおっさんにわけのわからないことを言われ…次々と襲う、奇想天外な出来事。

松坂桃李×麻生久美子or井浦新という衝撃の“入れ替わり”ラブコメディー『あのときキスしておけば』が、この春誕生する。

 

◆松坂桃李史上「最ポンコツキャラ」が奔走

2009年のデビュー以来、映画・ドラマ・舞台に八面六臂の活躍で、若手随一の実力派俳優との呼び声高い松坂桃李。

映画『孤狼の血』での暴力班捜査係の若き刑事から『娼年』での会員制ボーイズクラブの娼夫、そして日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を獲得した『新聞記者』での内閣情報調査室の官僚など、骨太な男からセクシーで謎めいた男まで、その確かな演技力で幅広い役柄を演じわけてきた。

そんな松坂がこの春、キャリア史上「最ポンコツ」なキャラクターを演じることに。テレビ朝日4月期金曜ナイトドラマ『あのときキスしておけば』で、また新たな一面を披露する。

松坂演じる桃地のぞむは、とにかくポンコツで何かと不運な32歳独身男性。勤務先のスーパーでも失敗ばかりで、出世願望も恋愛願望もとくになし。唯一の趣味は、家にこもって大好きな漫画を読むことだった。

ある日、桃地がスーパーのレジでクレーマーに絡まれていたところを助けてくれたのが、大好きな漫画『SEIKAの空』の作者・蟹釜ジョーこと唯月巴。

男性だと思っていた作者が実は女性で、しかもなんだか気に入られてしまった桃地。いつの間にか家政夫のような、使用人のような立場の高額なアルバイトまで依頼され、なんやかんやとしているうちに友だち以上恋人未満ないい感じの関係になる。

押し倒されてキスされそうになったのをやんわり拒否したらキレられ、でも沖縄旅行には誘ってくれたので同行するなど、幸せの階段を一気に駆け上がりはじめたかのように見えた桃地。そんな彼を待ち受けていたのは、突然の唯月の死だった。

悲しみに暮れる桃地。そこにひとりの見知らぬおっさんが出現。そして一言「モモチ、私が巴なの」と発言する。

松坂にとっても念願のラブコメだという今作。大好きな彼女のためならば掃除、洗濯、料理となんでもやっちゃうけど自分の意見も言えない、困っている人を助けることもできないし、全然頼りにならない愛すべきダメ男・桃地を、松坂はどのように演じるのか。

◆麻生久美子の魂が井浦新に!

主人公とヒロインが入れ替わってしまうという“入れ替わり”モノは数あれど、主人公が恋するヒロインの中身が見知らぬおじさんのところに行ってしまうという作品は前代未聞だ。

そんな入れ替わってしまう2人を演じるのが、麻生久美子と井浦新。数々の作品で独創的なキャラクターを演じてきた2人が、松坂との一風変わった“ラブ線”を描き出す。

麻生が演じるのは人気漫画『SEIKAの空』の作者・唯月巴。“蟹釜ジョー”という名前で執筆活動をしている大ヒット作家で超お金持ち。そんなセレブな唯月が桃地と出会い、接していくうちに少しずつその価値観を変えていく。しかし桃地への思いに気づいた矢先、事故で帰らぬ人に。しかも魂だけ見知らぬおっさんのなかに入ってしまった。

誰もが憧れる超セレブ生活を送りながらも人には言えないような秘めた一面をもつ唯月を、自然体の色気と確かな演技力に定評のある麻生が魅力たっぷりに熱演する。

一方、そんな唯月の魂が乗り移ってしまう“中年のおじさん”を演じるのが井浦新。名前は田中マサオといい、桃地が働くスーパーにも出入りする清掃業者の清掃員だ。しかし不慮の事故で唯月の魂が体に乗り移ってしまい、姿カタチはおじさん(=マサオ)でも中身は女性(=唯月)として生きていくことに。物語が進むにつれ、マサオの正体も明らかになっていく。

今作では“田中マサオ”としてだけでなく、“唯月巴”としての芝居も注目を集めることになる井浦。ドラマ『アンナチュラル』や『殺意の道程』、そして『にじいろカルテ』での好演も記憶に新しい井浦が、『あのときキスしておけば』でまた新たな境地を開拓する。

◆脚本は恋愛ドラマの名手・大石静氏

そんな今作の脚本を手がけるのは、恋愛ドラマの名手として知られる脚本家の大石静氏。『大恋愛〜僕を忘れる君と』『セカンドバージン』『恋する母たち』『セカンド・ラブ』といった数々の恋愛ドラマを世に送り出してきた大石氏が、またまた完全オリジナル作を誕生させる。

前代未聞の“入れ替わり”ラブコメディーを前に、「頭をひねってストーリーを膨らませた」と大石氏。「連続ドラマの醍醐味である“先の展開への期待”、“来週どうなる”感は、もてる能力と情熱の限りを尽くして考えました!」とコメントしている。

◆松坂桃李(桃地のぞむ・役)コメント

台本を読んだとき、これは新しいジャンルの作品だ。予測のつかないおもしろさが生まれる気がしました。正直、一体どういうことなんだろう? と何度も読み返しては読み進める、そんな本でした。

麻生さんとは大河ドラマ以来の共演ですが、コミカルなお芝居もシリアスなお芝居も魅力的に演じわける方なので、この作品においても信頼できるヒロインになって下さると思っています。

井浦さんとは初共演なので未知数です。これまでさまざまな作品で目にしてきた井浦さんとも違う新たな井浦さんのアプローチが見られそうで、今からどう立ち向かおうかと試行錯誤しています。

誰しも人生で一度は「あのとき、こうしておけばよかった」と思う瞬間を経験しているのではないでしょうか。そんな瞬間を柔らかくポップに皆様にお届けできるように作り上げていきたいです。そして、井浦さん演じる田中マサオと麻生さん演じる唯月巴を桃地として全力で愛していけたらと思っています。

◆麻生久美子(唯月巴・役)コメント

台本を読んでまず、設定が非現実的でおもしろく、ふたりで一人の役を演じるということも新鮮で惹かれました。

圧倒的な才能のもち主でセレブの女性が、中年のおじさんのなかに入ってしまうことで起こるさまざまな出来事。それがおもしろくもあり、切なくもなるというストーリー展開が素晴らしくて、今は先が気になって仕方ありません。

私が演じる唯月巴は強さと弱さを併せもった、才能溢れる天才。その人物を私と井浦新さんのふたりで演じるという新たな挑戦をします。

“二人一役”という、共同作業が必要になりそうなところもまた私にとっていい経験になると思いますし、キャラクターに深みが出そうで楽しみです。今までやらせていただいたことがない役ですので、思い切って振り切って演じたいと思います。

松坂桃李さんとは大河ドラマ『いだてん』で少しだけ、井浦さんとは映画・舞台・ドラマなどを経て今回また久しぶりにご一緒します。長身なおふたりの恋愛模様がどのような感じで描かれるのか楽しみですよね。

コメディー作品は本当に毎回難しく、挑戦だと思っています。一風変わった恋愛ホームドラマになるかと思いますが、毎週放送を楽しみにしてもらえる作品にできたらいいなと思っています。

◆井浦新(田中マサオ・役)コメント

友人でもある貴島彩理プロデューサーからお話をいただき、即答で「やりたいです」とお返事をしたんですが、台本を読んだ今はちょっと後悔しています(笑)。

物語はもう、それはそれはおもしろくて、1話だけでも「なんだこれは!」というくらいのボリュームの出来事が起きるので、松坂桃李くんと麻生久美子さんの恋模様の部分などもとても楽しく読んでいたのですが、いざ自分の役柄として台本と向き合うと、展開もすごいし、セリフも膨大で、きっと撮影は大変になるだろうなと逃げたくなってしまいました(笑)。

今回の役に関しては、まだどんなふうにお芝居をしよう、というイメージは固まっていないのですが、「何か新しいことをしたい」という気持ちは強くもっています。

僕自身、“ラブコメ”ははじめてで、46歳にして“ラブコメ”をやるなんて思ってもいなかったですし、ヒロインを演じるのもはじめて。チャレンジづくしのいい機会をいただいたので、今まで見たことのない井浦新をお見せしたいと思っています。

そして、大石静さんのオリジナル脚本なので、その本の世界をさらにもっといい方向に膨らませていけるような作品にしたい。そのためにも現場では新しいものを作るべくワンシーン、ワンシーンを丁寧に撮っていけたらと思います。

松坂桃李さんともはじめてご一緒するので、どんなふうになるのか楽しみ。そういった意味でも、もしかしたら今が一番ワクワクしているときなのかも知れません。

◆脚本家・大石静 コメント

今回の企画は貴島彩理プロデューサーが「松坂桃李さんとこんなドラマをやりたい」と温めてこられたものでした。そのアイデアを元に私も頭をひねってストーリーを膨らませていきました。

映画や単発ドラマと違い、連ドラの醍醐味は、先の展開への期待です。それは事件モノであろうとラブストーリーであろうと同じです。「来週どうなる」感は、もてる能力と情熱の限りをつくして考えました。

松坂さんについては――先日、はじめてお目にかかりました。手も足も首も指もスラっと長くて美しく、穏やかで品もよく、うっとりしました。

これまで、エリート官僚や誠実な青年、剣の達人や人生に迷ってエロスに溺れて行く男など、あらゆるタイプの男性を演じて来られたと思いますが、今回ほど、地味でドジで気弱で、夢もない人生のビジョンもないというどうしようもない青年の役は、めずらしいのではないでしょうか? どんなふうになるのか、期待に胸膨らませて待っています。

井浦新さんについては――連ドラをご一緒するのはこれで3回目です。今までは口数の少ない物静かな役をやっていただいて、本当にステキでセクシーだったんですが、今回は、わがままでよくしゃべる、感情の起伏の激しい女性が乗り移ってしまうオジサンという、ややこしい役どころです。

1人2役という感じで、エネルギーのいる仕事になると思いますが、今までとは違う、ヤンチャでハチャメチャな顔が見られることを、期待しています。女性を演じることで、井浦さんの女性観みたいなものも垣間見えると、奥深いな〜と思っています。

麻生さんについては――脚本家として、才能のある人を描くことに、興味があります。市井に生きる普通の人より、欲望に忠実で生命力も強く、才能ゆえに強烈な自我をもち、孤独と不安も深く感じているヒロインを、麻生久美子さんがどんなふうに演じて下さるか楽しみです。

入れ替わってからは、多くの場面を井浦さんが演じることになりますが、時折現れる麻生さんのヒロインに、自信の裏側にある圧巻のはかなさと、寂しさ、愛くるしさを! と思っています。

作品については――この作品はジェンダーフリーな世界観を提示しています。そしてすべての人が抱えている終わる命の宿命や、生まれ出た以上、強く人を愛してこその人生であるという想いを込めて書いています。

でもあまり難しいことを考えず、予測不能な展開のラブコメディーを楽しく笑って見ていただけたら、うれしいです。