2021年9月で開館 10 周年を迎える「藤子・F・不二雄ミュージアム」では、7月1日から「10周年記念原画展」が開催中。

©Fujiko-Pro

1950年代から1990 年代まで、各年代を代表する藤子・F・不二雄作品のまんが原画が展示され、貴重な初期の未発表原画やSF短編などバラエティに富んだ作品を楽しむことができる。

本稿では、そんな原画展の様子をレポート。10周年を記念した新メニュー&新グッズの情報と合わせて、見どころを紹介する。

◆推定70年前の“幻の作品”が初展示!

デビュー作から最後の作品まで、藤子氏が残した貴重な作品が一堂に集まった今回の原画展。

展示室内にはそれぞれの年代を代表する作品がズラリと並び、その軌跡をたどることができる。

©Fujiko-Pro

最大の目玉といえるのが、少女向け作品の『ぬすまれた王女さま』(1950年代)とSF作品の『死刑執行者』(1950年代)。

ともに藤子氏が保有していたと思われる初期の“未発表原画”で、今回が初展示となる。

『ぬすまれた王女さま』(1950年代) ©Fujiko-Pro

『死刑執行者』(1950年代) ©Fujiko-Pro

推定70年近く出版されることもなく、日の目を見ずにずっと眠っていた幻の作品。

2作品ともストーリーや制作年月などの詳細は不明ながら、初期の藤子作品の雰囲気をひしと感じとれる。

ファンならずともぜひ目にしておきたい!

◆大迫力のドラえもんに圧倒!

そして、数多くの展示のなかでもひときわ目を引くのが、『大長編ドラえもん』シリーズの12枚の見開き展示だ。

©Fujiko-Pro

『大長編ドラえもん』といえば、『ドラえもん』の長編アニメ映画の原作であり、藤子氏がライフワークにしていた作品。第1作『のび太の恐竜』は、1980年に『コロコロコミック』で連載され、漫画と同時進行で制作された劇場作品は大ヒットを記録した。

そんな『大長編ドラえもん』シリーズのなかから、迫力ある12枚の見開きページを抽出したこちらの展示。

のび太たちがたどり着いた世界の不思議な風景などが、まるで映画の大スクリーンのような迫力で広がっている。

『ドラえもん のび太の恐竜』(1980年) ©Fujiko-Pro

『ドラえもん のび太と銀河超特急』(1996年) ©Fujiko-Pro

木々の葉や山の岩肌など、細部まで精緻に描かれた原画は、まるで絵画のよう。

ページをめくると突然あらわれた、見開きいっぱいのシーンにワクワク! 子どものころに漫画を読んでいたときの、そんな気持ちを思い起こさせてくれる。

◆意外な作品に驚き!過去の作品が一挙集結

そのほかにも、展示室ではさまざまな作品の貴重な原画を展示している。

17歳から62歳にかけて、46年間にわたり漫画家として活躍した藤子氏は、SF、ギャグ、アドベンチャー、時代物など多ジャンルにわたって多くの作品を生み出していた。

こちらは、17歳の時に毎日小学生新聞で連載されたデビュー作『天使の玉ちゃん』(1951年)。

『天使の玉ちゃん』(1951年) ©Fujiko-Pro

ペンネームではなく本名で掲載されており、絵柄もどこか若々しい。貴重な藤子氏の4コマ漫画は必見だ。

つづいては、オールカラーの子ども向け漫画『ぞうくんとりすちゃん』(1974年)。

『ぞうくんとりすちゃん』(1974年) ©Fujiko-Pro

子ども向けの作品に強いこだわりをもっていた藤子氏は、子ども向け月刊誌やこども新聞などに自らの作品を多数掲載していた。

子どもでもわかりやすく楽しめるよう、大きなコマで構成されたシンプルなストーリーが特徴で、多くの子どもたちにとって「漫画の入り口」となっていたことがうかがえる。

上記以外にも、『ドラえもん』(1970年)や『オバケのQ太郎』(1964年)、『キテレツ大百科』(1974年)など、だれもが知る大人気作の原画もたっぷりと展示されている。

©Fujiko-Pro

なお、10周年記念原画展は2022年6月30日(木)まで開催され、3カ月に一度の展示替により、1年間(4期)で合計約680枚の原画を展示する予定。テーマ展示コーナーでは、各期異なるテーマで作品を紹介するので、1年を通じて藤子・F・不二雄の世界を堪能できる。

◆新グッズ&新メニューも続々登場

原画展の開催に合わせて、3階にあるミュージアムカフェでは新メニューが登場する。

目玉はこちらの「ドラえもんじゃカレー」(2,450円)。

©Fujiko-Pro

ドラえもんの身長129.3cm・体重129.3kg・頭の周囲129.3 cmにちなみ、円周129.3cmという大皿で提供される特大カレー(2〜3人前目安)だ。

「もんじゃ味」というこれまでにない味付けで、癖になるおいしさが楽しめるそう。インパクト大の見た目と相まって10周年にふさわしいスペシャルな一皿となっている。

そのほか、ふわふわ卵のオムライスをドラえもんに仕立てた「ドラえもんオム・ド・ライス」(1,550円)、夏にぴったりな「コロ助冷やしうどん(いなり付き)」(880円)などの新メニューも登場。

©Fujiko-Pro

©Fujiko-Pro

デザートでは、濃厚なチョコレートムースをチョコレートクリームで包んだ「ドラえもんぶらん」(1,200円)、漫画の吹き出しをさわやかな白桃ヨーグルトムースケーキで仕立てた「『ワ』の字で空をいくケーキ」(780円)などがあらたにメニューに加わった。

©Fujiko-Pro

さらに、ミュージアムショップでは新商品が登場。

©Fujiko-Pro

10周年記念原画展をもっと楽しめる「藤子・F・不二雄ミュージアム10周年記念 原画展オリジナルセレクション1」(2,112円)、人気のデニムドラえもんぬいぐるみに10周年マークが入った「10周年 デニムドラえもんぬいぐるみ」(2,200 円)、毎年定番の周年記念ピンズの10周年バージョン「10周年ピンズ」(550円)などが販売される。

10周年を迎え、ますますパワーアップした「川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアム」。今まで知らなかった藤子作品の魅力に出会える『10周年記念原画展』を、ぜひ現地で堪能してほしい。