現地時間の7月28日、FIA世界ラリー選手権(WRC)第9戦「ラリー・フィンランド」のデイ2(SS2〜SS13)が行われた。

この日の主役は、4名の“フライング・フィン”だろう。トヨタのエース、ヤリ‐マティ・ラトバラ、チームメートのユホ・ハンニネン、サードドライバーで新人のエサペッカ・ラッピ、そしてフォードから参加したテーム・スニネンだ。

なかでも驚きだったのは、新人ラッピの走り。2日目のSSは計12あったが、ラッピは実に8カ所で最速タイムを記録。2日目にしてWRCでは初めての総合首位に躍り出た。母国フィンランドでは突如に登場したシンデレラボーイにすべての注目が集まっている。

本人も、「なんと表現したらよいか…、僕は小さい頃からWRCに憧れて、いつかラリー・フィンランドで走ってみたいと夢見ていた。そしてその夢が叶い、まさかの総合首位を走っている。言葉が見つからないよ。明日は最高の舞台で走ることになる。勝てるかって? わからない。とにかく僕がやるべきことは集中すること。ラトバラと争うとかは考えていない。僕の目標はまず初表彰台に登ることだからね」と驚きを隠さない。

驚きはこれだけではない。トヨタは3台とも絶好調で、総合2位にはラトバラ、そして5位にはハンニネンがつけている。なかでも激しかったのが、ラトバラとラッピによるトップ争いで、2人によるSSワンツーフィニッシュが6カ所もあった。

ラトバラは、「今日の僕は出来ることをやったつもりだ。でも、ラッピはさらに速かった。さて、明日の自分は何が出来るかを考えなくてはいけないね」と3日目の巻き返しを誓う。

ハンニネンは、「今日は出来すぎなくらいだ。左後輪がロックしたりと万全ではなく、ジャンプを気遣わなくてはいけないけれど、とくに問題も発生せずラッキーだった」と母国での好スタートを喜んだ。

一方ライバルたちを見ると、衝撃だったのが王者セバスチャン・オジェ(フォード)のクラッシュだ。

じつはこの日のSS4は「最も難しいステージ」(ラトバラ談)と言われており、多くのドライバーが苦しんだ。フォードのオット・タナクは右後輪ホイールを破損し1分半以上のロス、ヒュンダイのヘイデン・パッドンは右後輪を激しくクラッシュしデイリタイアを選択。

そして王者オジェも、林のなかにマシンを突っ込ませるようにしてクラッシュし、サスペンションと車体に大きなダメージを負ってしまい、こちらもデイリタイアを選択した。このSS4だけで上位フィニッシュの常連が一気に消えてしまった形だ。

ラリー・フィンランドは、3日目に高速コーナーとジャンプが連続する名物SSのオウニンポウヤ(SS16とSS19)が登場する。ラトバラはオウニンポウヤについて、こう語る。

「オウニンポウヤは、言うなればラリーカーでジェットコースターを走るようなSSだ。飛んだり、跳ねたり、横向きになったり。狭いコーナー、速いコーナーと、まともなストレートはない。そこを平均時速130〜140キロで走り抜ける。躊躇していたら勝てない。マシンを熟知して自信を持ってコーナーへ飛び込むしかない。そんなSSだよ」

ラリー・フィンランドの3日目は、SS14からSS21を争う。なお、RC1の1〜10位までの結果は以下の通り。