テニスの現役を退いてから、“応援”することを生きがいにしている松岡修造。

現在は東京オリンピック・パラリンピックに向けて頑張る人たちを、「松岡修造の2020みんなできる宣言」と題して全国各地を駆け巡って応援している。

今回、修造が訪れたのは愛媛県の八幡浜市。一面に広がるみかん畑で、宮本泰邦さんに出会った。

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宮本さんは、県内およそ7000のみかん農家のなかから唯一愛媛県のホームページに紹介されるなど、みかんで有名な愛媛県でも特別な存在。

みかんを提供することで、東京五輪に参加しようと考えている。

宮本さんの作ったみかんを食べた修造は「まさにオリンピックみかんですね!これ、すごく美味しいです!」と感嘆の声をあげた。

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しかし、このオリンピックみかん、ただ美味しいだけではない。

「オリンピックの選手村などで提供される食材には条件というのがあって“グローバルGAP”を取らないといけないんです」

“グローバルGAP”とは、優良な生産者に与えられる国際的な認証のこと。農作業が安全にできる状態にあるか、農地に負担をかけず環境に優しいかなど、作る過程にも厳しい基準が設けられる。

そのチェック項目は200以上にのぼるのだが、宮本さんはみかん農家として日本で初めて、グローバルGAPを取得。オリンピックに提供できる資格を得た。

「絶対にGAPは取らないといけないと思いました」

グローバルGAPの取得について、そう語る宮本さん。強い想いには、“理由”があった。

◆みかん農家を改革

みかん農家の長男として育った幼少時代、その生活は不安定なものだった。

みかんは冬にしか収穫できないため、他の季節では収入が望めず、万が一不作になるとさらに収入が減ってしまうのだ。

宮本さんは37歳で家業を継ぐことになったとき、不安に襲われたという。

「今までの農業というのは、個人でやるという形だったんですけど、中長期で5年、10年先を考えたときに、『農業法人』という形で会社としてやることが必要じゃないかと思ったんです」

安定した収入を確保するため、会社を立ち上げた宮本さん。そこで鍵となったのが、グローバルGAPの取得だ。

GAPでは、農作物を作る過程を事細かに管理しなくてはならないため、作業の効率化が図りやすくなる。そして、GAPの取得は社会的な信用を生み、収入にもつながるのだ。

さらに収入を安定させるため、独自のアイディアも生み出した。そのひとつが「塩みかん」。

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塩の代わりに使い、料理を引き立たせる調味料で、老舗の温泉旅館やファーストクラスの機内食などに使われる商品となった。

こうした取り組みで1年を通じた安定性を手にした宮本さんは、この成功を次の世代にも生かしてほしいと、あることを始めている。

それは、グローバルGAPを取得するための、わかりやすい方法を伝えること。地元の高校や大学に出向き、無料で教えている。そのなかで、確かな変化を感じ取っているという。

「実はオリンピック食材になるということで、生徒やその家族、先生たちが、GAPがすごく大事だと気づいてくれました。

この新しい農業というか、グローバルGAPを通じて、日本の農業が海外に広がって行くような、そういう強い農業になっていけばいいなと思います」

そんな宮本さんのできる宣言は「GAPを通して日本の農業を強くしたい!」修造は「みかんも!宮本さんも!強い!!!」と、力強くエールを送った。

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