いよいよ8月20日(木)に開幕する『全英女子オープンゴルフ』。

今年は7名の日本勢が出場する予定だが、なかでも注目は、2019年の同大会で日本勢42年ぶりメジャー制覇を成し遂げ、一躍“シンデレラガール”になった渋野日向子だ。

8月19日(水)に放送した『報道ステーション』では、今大会での連覇に期待がかかる渋野に、松岡修造がインタビュー。テレ朝POSTでは、番組未公開パートを加え、前後編の2回にわけて、このインタビューの模様をお届けする。

後編となる今回は、渋野が「今の目標」「全英女子オープンゴルフへの意気込み」を語る。

◆今の目標は「五大メジャーの全制覇」

松岡:全英に勝って、「世界に行こう!」とは思わなかったですか?

渋野:全英の直後は、日本でまだ出てない試合もたくさんあるし、もっと経験してから行きたいという思いがあったんですけど。

2019年の10月頃に、日本のメジャーで海外の選手や(畑岡)奈紗ちゃんと回ったときに、レベルの差をすごく感じてしまって。

やっぱり早く海外に行かないと、もっと強くなれないのかなってその試合ですごく思って、そこから少しずつ「早くアメリカに行かなきゃ、行きたい」って思いが出てきました。

松岡:何が違うと思ったんですか?

渋野:ショット、グリーン周り、パッティング、全部です。総合的に全部レベルが違うんですよね。

松岡:それは正確性とかですか?

渋野:正確性もそうですし、ここで決めなきゃいけないというところで絶対決めてくるとかですね。

やっぱりメジャーって日本のなかでもかなり難しいコンディションなので、日本で練習しているだけでは、多分対応できないだろうなと思ってしまいました。

海外の試合(スウィンギングスカート台湾選手権)にも出させていただいたんですけど、そのときにも、頑張らなきゃっていう気持ちでいたなかで、すごく空回りしてしまったので。

日本にいても多分通用しないな、日本で頑張っていて、ぱっとメジャーに行っても絶対勝てないな、通用しないなと感じるようになって、これはアメリカでやらなきゃって思いましたね。

松岡:世界に対する気持ちが、以前と今ではどう変わってきているんですか?

渋野:2019年とかのアメリカに行きたい、戦いたいっていう思いから、今はもう五大メジャー全部制覇したいって思っています。

松岡:えっ、全部獲る?(前編(リンクを挿入します)で話していた、国内で50位以内に入るという最初の夢から)ちょっと変わりすぎじゃないですか(笑)?

全部制覇したいって、それはどこかに実感がない限りは言わないと思うんですよ。どうしてそう思うようになりましたか?

渋野:5個のなかのひとつを制覇して、今日本人のなかで五大メジャーに近い存在って私だと思うんですよ。

あと4つ。誰も成し遂げたことのないグランドスラムを、自分が達成したときってどんな感情なんだろう?どれだけ日本や世界に影響を与えるんだろう?っていうのを考えたら、早く体験してみたいというか、そうなってみたい、なりたいって思うようになりました。

松岡:最初の目標は、国内で50位以内で、今はこれだけ目標が大きく変えられているわけですが、何が起きているんですか?

渋野:何が起きているんでしょうね。自分でもこんなに感情が変わるのがわからないんですけど。

今までは、自分のためにゴルフを頑張っていたかもしれないですけど、今は自分のためというよりは、人のために頑張るというか、色んな人に影響を与えたいとか、恩返しをしたいという思いが強くなりましたね。

そうすると、日本で戦っているだけでは、世界の人には知ってもらえないわけですし。

全英で勝ったとき、なかなかその瞬間は実感しなかったのですが、時間が経つにつれて、メディアさんの記事等を読むことによって、「世界に影響を与えているんだな」って思うようになりました。

“スマイルシンデレラ”って言われただけで、こんなに色んな人に笑顔を与えたのかなということが、すごくうれしかったというか、ジーンとくるというか…。

笑っているだけでこんなに感謝されるんだなっていうのを知ってしまって。じゃあもっとすごいことをしたら、どれだけ色んな人に喜んでもらえるんだろうっていうことを、自分で体験して、実感したいとい思いが強いですね。

松岡:なるほど、すごく思いが伝わってきました。「自分が優勝したい」という思い以上に、優勝することで自分が周りにどれだけ幸せを与えられるかということが大きかったってことですね。

渋野:そうですね、それが今の自分のやりがいだと思います。

松岡: そういう風に幸せを与えているって気づける人は少ないと思うのですが、なぜそう思うようになったのでしょうか?

渋野:自分が小学生のときに、ソフトボール代表の皆さんが五輪で金メダルを獲って、すごく感動をもらいましたし、自分も頑張らなきゃって思って。

そういうのを見て、自分ももっと頑張らなきゃ、もっと勇気を与えられる選手にならなきゃと思いました。さまざまな分野からですけど、とくに他のスポーツ選手から影響を受けました。

じゃあ自分がどうしたら皆さんにそう思ってもらえるかっていったら、結果もそうですけど、自分のプレースタイルもカメラに映るので、そういう所も大事だろうなって思っています。

松岡:いや、そこですよね。見ている人って結果だけではなくて、選手の人間味を感じていますから。

最後に、今大会で全英を連覇できるのはひとりしかいないわけですが、今どんな思いですか?

渋野:連覇できるのは私だけなので、優勝したいっていう気持ちはあるんですけど、今までやったことのないリンクスなので、正直本当に自分のゴルフがどうなるかわからないなっていう思いではあります。

80打とうが、90打とうが真剣にですけど、笑ってやりたいなという思いはありますし、コロナで大変な状況なので、本当に皆さんに勇気と笑顔を届けたいっていう思いがあるので、連覇できるのは私だけっていう思いはありますけど。それよりももっと大事なことはあると思うので、それを皆さんに届けたいという思いが今は強いです。