テニスの現役を退いてから、“応援”することを生きがいにしている松岡修造。

現在は「松岡修造の2020みんなできる宣言」と題し、2021年に開催される東京オリンピック・パラリンピックに向けてがんばる人たちを応援している。

今回修造は、意外な形でオリンピックに関わることになった夫婦にリモート・インタビューした。

◆アフリカの島国に閉じ込められた夫婦

カーボベルデ共和国。そこは日本から西におよそ1万4000キロ離れたアフリカの島国。人口およそ54万人、大小15の島から成り立つ。

そんな国から出られなくなってしまった日本人夫婦が、片岡力也さんと片岡あゆみさんだ。

「新婚旅行中なんですよ。カーボベルデにやって来たのが2020年の2月なんですけど、コロナ禍で身動きが取れなくなっちゃって、ずっとこの国にいます」(力也さん)

2人が新婚旅行でカーボベルデに立ち寄った際、空港がコロナ禍で封鎖。10か月以上にわたり、島から身動きがとれなくなった。

このままでは生活資金がつきてしまうが、仕事をしようにも、海外で仕事をする際に必要なビジネスビザがないため、働いて金銭を受け取ることはできない。

そこで、片岡夫婦はこのピンチを驚きの方法でしのいでいた。

「取り残されて長くいることになったんで、現地のプロモーション動画をいろんなところで作っていったんですよ」(力也さん)

元々結婚式のVTRなどを作っていた夫の力也さん。その技術を活かし、現地の企業向けにPR動画を作成。ビジネスビザがないため報酬金は0だが、生活していくためにある交渉を行っていた。

それは、レストランのおいしそうな宣伝動画を作れば、ハンバーガーセットが食べ放題。高級ホテルのイメージビデオを作れば、ホテルのスイートルームに宿泊し放題といった具合に、技術と引き換えに必要なものをもらうというもの。

◆夫婦を助けたカーボベルデの“ノーストレス”精神

しかし、現地の人々はなぜそこまでよくしてくれたのか。それは、この国の“ある言葉”にヒントがあった。

「挨拶のようにみんなが毎日しゃべる言葉なんですけど、それが“ノーストレス”っていう言葉。たとえばレストランでお皿を割っても店員が“ノーストレス、ノーストレス”気にするなって。沖縄の“なんくるないさ”と同じ」(力也さん)

何事も迎え入れるノーストレスの国民性に助けられ、持ち前の行動力でピンチを乗り切った片岡さん夫婦。この出来事はたちまち話題となり、国内外のメディアから取材が殺到。すると2人の評判を聞きつけた、現地のオリンピック委員会からある依頼が舞い込んだ。

なんと東京2020へ向け、カーボベルデをPRしてほしいと、オリンピックアンバサダーに任命されたのだ。

「一番の目的は、カーボベルデの知名度を世界に広げてほしいってことなんです」(力也さん)

「私たち今すごくカーボベルデにお世話になっているので、これからのカーボベルデに貢献していけるようにSNSとかで発信していけたらと思っています」(あゆみさん)

そんな2人のできる宣言は、「カーボベルデの魅力やノーストレスの精神を、世界中に伝えたい」。修造は「よし!レッツノーストレス」とエールを送った。