1月4日(火)、1月5日(水)の2日間にわたり東京ドームで開催される「WRESTLE KINGDOM 16」を控えた新日本プロレス。そのなかでも今混乱を招いているのが、“3つのベルト問題“だ。

現在、新日本プロレスは、鷹木信悟、ウィル・オスプレイ、オカダ・カズチカの3選手がそれぞれ団体のトップを証明するチャンピオンベルトを持っているという“カオス”な状態になっている。

いったい、なぜこのような事態になったのか?

事の発端は、当時のチャンピオン・飯伏幸太がIWGPヘビー級王座(以下、ヘビー級王座)とIWGPインターコンチネンタル王座(以下、IC王座)という2つの王座をIWGP世界ヘビー級王座(以下、世界ヘビー級王座)として統一させたことから始まる。

◆誕生から今まで、世界ヘビー級王座の歴史

ヘビー級王座は、新日本プロレスの名レスラーたちから約34年にわたって受け継がれてきた、団体におけるいわば「最強」の証。

一方のIC王座は、2011年に新設された、新日本プロレスにおいて「インターナショナル」な闘いを目指していくベルトだ。

その後、この2つのベルトは“二冠王座”として同時に新日本プロレスの頂点に立つ。そして最後の二冠戦に勝利した飯伏が、名誉ある初代世界ヘビー級王者として歴史に名を刻んだ。

しかし、そのわずか1カ月後、飯伏はオスプレイとの王座防衛戦に敗北。こうして第2代世界ヘビー級王座を奪取したオスプレイは、次なる挑戦者・鷹木との試合でも防衛を果たし、長期政権を築いていく…はずだった。

◆空位になった世界ヘビー級王座

しかしここで、オスプレイが首の負傷によって欠場を余儀なくされ、そのまま世界ヘビー級王座は“返上”という形になってしまう。

新日本プロレスはチャンピオンが不在、ベルトも空位となった状態。そこで名乗りを上げたのは、オスプレイとの王座戦で惜しくも敗れた鷹木。「“新王座決定戦”をやるならば、この俺は準備万端だからな!」と猛アピールする。

一方、「俺みたいな人間がチャンピオンになって、新日本プロレスを盛り上げないとダメだと思っている」とリングで語るオカダも、新王座決定戦への参戦を表明。

こうして鷹木VSオカダの“新王座決定戦“が行われ、激闘を制した鷹木が第3代となる世界ヘビー級王座を獲得する。

以降、鷹木は名だたる強敵から防衛を果たし、念願の初戴冠ながら新日本プロレストップの座に堂々君臨する。

◆新チャンピオンにあの男が「待った!」

そんななか、アメリカ・ロサンゼルスで行われた大会で、前・世界ヘビー級王座のオスプレイが4カ月の欠場から電撃復帰!

そもそもオスプレイは「新日本プロレスは、俺がたった4カ月の欠場を頼んだら、その代償としてベルトを取り上げやがった!」とご立腹の様子。この仕打ちに「もう日本には戻らない」とまで言い出す始末だ。

すると、「もし俺に日本へ戻ってきてほしいなら、ひとつ条件をやろう」と言うと、現チャンピオンの鷹木に王座挑戦を表明。そして自分に負けた鷹木は“真”のチャンピオンではないと、自作した世界ヘビー級王座をファンの前で披露したのだ。

この時点で、公式には鷹木が王者であるものの、新日本プロレスには2つの世界ヘビー級王座のベルトが存在することに。しかし、問題はこれだけではなかった…。

◆ライバルとの再戦権、その証として取り出された“もうひとつのベルト”

一方、新王座決定戦で敗れたオカダは、優勝すれば毎年1月4日に行われる東京ドーム大会のメインイベント(ヘビー級王座挑戦)の権利を獲得できる「GI CLIMAX31」の優勝決定戦に出場。

そこで初代・世界ヘビー級王者の飯伏と対戦するが、試合は終盤に飯伏が負傷してしまい、レフェリーストップという形でオカダが7年ぶりの優勝を果たす。

しかし、試合の結末に不満を持ったオカダは、試合後に「G1チャンピオンとして新日本プロレスにお願いがあります、飯伏とまたやらせてください。その飯伏を待つ証として“4代目IWGPヘビー”のベルトを俺にください!」と言って大会を締めくくる。

オカダのいう“4代目IWGPヘビーのベルト”というのは、飯伏が統一したヘビー級王座のこと。その4代目となるデザインで、新日本プロレスでは2008年から使用されてきた。オカダも初戴冠の2012年から合計5度にわたって手にし、思い入れのあるベルトには間違いない。

さらにオカダは「いつもならG1チャンピオンが“チャレンジ”する。だけど今回はIWGPヘビーではなく、世界ヘビー。だったら(鷹木から)挑戦してきなさい」と鷹木を挑発し、それ以降なくなったはずのヘビー級王座を挑戦権利書として持つようになる。

こうして、新日本プロレスには鷹木の持つ世界ヘビー級王座、オスプレイの持つ自作の世界ヘビー級王座、そしてオカダの持つ旧ヘビー級王座という3つのベルトが同時に存在する大混乱状態になったのだ。

◆真の王者決定へ、2日にわたる死闘が幕を開ける

そんななか、現王者の鷹木が3度目の王座防衛戦に勝利すると、オカダが試合後のリングに現れる。

リング上は、新旧チャンピオンベルトをそれぞれ持ったレスラーが同時に立つという異様な光景。さらにオカダは「G1 CLIMAXチャンピオンと世界ヘビー級チャンピオン、どっちが本当のチャンピオンか決めましょうよ」と鷹木に向かって言い放つ。

こうして、正式に鷹木とオカダが1.4東京ドーム大会で激突することが決定した。

さらに、その翌週にアメリカ・サンノゼで行われた大会では、オカダの前にオスプレイが登場。

自作の世界ヘビー級王座を片手に、鷹木は“フェイク”で“暫定”のチャンピオンだと主張するオスプレイは、1.4に行われる鷹木VSオカダの勝者と、その翌日の1.5東京ドーム大会で真の世界ヘビー級王座をかけて対戦することを提案。

現チャンピオン鷹木がこの興行に帯同していないことをいいことに、オカダはオスプレイからの提案をあっさり受け入れ、史上初のチャンピオンマッチ2連戦が行われることが決定した。

それぞれが自身の権利を主張し、その証として同時に存在する3つのベルト。

そして鷹木は、自分のいないところで進む話に怒りをあらわにするかと思いきや、「オスプレイが日本に来るっていうんだったら話は別だ」と、勝利すれば連日連戦となってしまう不利な条件を快諾。

さらには、アメリカから一方的に挑発をしてくるオスプレイと、この混沌とした状況に対して現チャンピオンとしての責任であるともいう如く、「この混乱を招いている“ベルト問題”をキレイに片づけられるのは、オカダでもオスプレイでもない。俺しかいねえんだ」と力強くアピールしてみせた。

どんな結果になろうと、大会の後にリングに立っているのは1人のチャンピオンと1つのベルトのみ。

2日間にわたる、真の世界ヘビー級王座を決める闘いから目が離せない。