PRESIDENT 2015年3月30日号 掲載

売り上げと利益を完璧に予測することは誰にもできません。そのため、もっとも確度が高い数字だけを提示しても、いまひとつ説得力に欠けます。そこでうまくいかなかったときのリスクケース、予想以上にうまくいったときのアップサイドケースも試算しましょう。3つのシナリオを描くことで、どの程度の幅を持ってビジネスをとらえればよいか、理解が深まります。

そしてそのシナリオに沿って、利益も計算しておきましょう。特に新規事業に取り組むときは、利益がどのように推移していくか、時系列で把握することが重要です。最終的に儲かるとしても、初期投資の赤字が大きいため、持ちこたえられないことも。そうした際は、リスクケースを注視しなければいけません。

実際に、仕事のできる経営者は、「仮にうまくいかなくても最低これだけは数字を稼げる」リスクケースをもっとも知りたがります。一方、事業のポテンシャルを最大限に評価するアップサイドケースは、今後に対して夢が描ける数字です。プレゼンの際は、手堅さと化ける可能性のどちらを相手は求めているのか。そこを見極め、相手の要望に沿ったシナリオを提示するといいでしょう。

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【STORY】 上司から今後の利益予測を聞かれた山田さん。化粧品のネット販売が好調だった場合、逆にうまくいかなかった場合、3年後にはどんな結果が出るのか予測してみたい。今後の売り上げと営業利益を出すために、どんなケースを想定したらいいのだろうか?

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1.成功とリスクを予測する

売り上げの要素を分解し、単価は据え置きのまま、顧客数を左右する「認知度」「購入率」に最善と最悪のケースを挿入して計算してみる。このとき、購入数や顧客数など他人の意思で変化するものではなく、こちらの対策が影響しやすい項目を選ぶのが重要。

2.利益構造を明確にする

おさえるべき数字は4つだ。「売上」。商品やサービスを生み出すために直接必要なコストである「原価」。売り上げの拡大や会社の運営といったコストの「販売管理費」。そして事業の実力を示す「営業利益」。これらの数字をリアル店舗販売の収益構造を基に算出。ただし、販売管理費は既存ビジネスより5%のコスト削減に(表下参照)。これらの数字も、3つのシナリオごとに算出する。