PRESIDENT 2017年3月20日号 掲載

■ローンの減額や免除を受けられる制度も

もしも地震や津波で自宅が被害を受けてしまったら……。賃貸住宅を借りたり、自宅を建て替えたり、新たに住まいを整えなければなりません。その際に大きな負担になるのが、元の自宅についている住宅ローンです。全壊しても、津波に流されても、返済中の住宅ローンはそのまま残ります。

失った自宅のためにローンを返し続けるのは精神的にも苦痛。新しい住まいにかかる住居費と、元の住宅ローンとの二重負担となり、経済的にもかなり大きな負担です。

そこで創設されたのが、被災者のローン負担を軽減する「自然災害債務整理ガイドライン」。銀行との話し合いや簡易裁判所での特定調停を経て、ローンの減額や免除を受けられる制度です。

対象になるのは、2015年9月2日以降に災害救助法が適用された自然災害によってローンを返済できない個人、または個人事業者。住宅ローンのほか、自動車ローン、事業性ローンも対象です。

なお、災害救助法が適用された自然災害は、昨年だけでも熊本地震、台風第10号、鳥取県中部地震、新潟県糸魚川市大規模火災と4件に及び、災害は他人事ではありません。

具体的には、預貯金などから返せるだけ返し、返せない分は免除してもらったり、減額してもらったりします。

その際、財産の一部と、被災者として公的機関などから給付された支援金は手元に残すことができます。残せる額は被災状況や生活状況など、個別事情によって異なりますが、最大で500万円です。ローンの減額や免除を受けるには、借入先(金融機関)の同意が必要で、世帯年収730万円未満であること、ローンの返済額と新たに借りる家の家賃などの負担が総額で年収の40%以上になることなど、一定の要件があります。