PRESIDENT 2017年4月3日号 掲載

■「節税でお得」と強弁できるのか

最近よく相談を受ける事例のひとつが、新築ワンルームマンションへの投資話だ。電話で勧誘されたり、営業マンに直接アプローチされたりと、パターンはいくつかあるようだが、いずれも「節税になる」「ローンを払い終われば、家賃収入が年金代わりになる」といった言葉が売り文句らしい。

本当にそれほどお得な投資なのか。結論を先にいえば、「検討にすら値しない」というのが率直なところだ。

以前とある筋から、実際の勧誘に使われたワンルームマンション投資の説明資料を入手したことがある。都内のワンルームマンション(1軒約2600万円)を3軒セットで購入し、賃貸物件として運用するというスキームだった。

想定される家賃収入を、単純に物件の購入価格で割った「表面利回り」は4%ほど。しかし実際には、月々のローンの支払い、火災保険料や管理費など物件の維持に必要な経費、さらに固定資産税がかかってくる。自分が住むための物件ではないから、いわゆる住宅ローン減税の対象にもならない。入手した資料では、月々のローンや管理費等の支払いが、家賃収入を上回っていた。つまり、毎月の収支はなんと赤字になってしまう。

業者の説明によれば、ローン返済の利子分や管理費、物件の減価償却分などを経費とし、給与所得との合算で確定申告を行えば、所得税の還付が受けられて黒字になるという話だったらしい。だが、家賃収入を上回る支出が発生するのは確実で、税金の戻りをあてにしないと大赤字になる投資は、はたして「節税でお得」と強弁できるのか。