PRESIDENT Online 掲載

2021年1月から始まる大学入学共通テストに向けて、現行のセンター試験でも「思考力」を問う問題が増えている。現役東大生の西岡壱誠さんは、「学んだことや教科書に書いてある知識と結び付けて解を導く能力がある人材を育てるため」という——。

■東大生の“教材”は日常生活すべて

AIが台頭する時代において、自分の頭で考える力「思考力」が必要になると言われています。

誰かの言った通りに動くだけであればロボットでも代替できるから、自分の頭で考えて行動する力が必要になってくる、と。

これを受けて、知識量を問うセンター試験は廃止され、2020年入試改革で「思考力」を問う問題の出題が増えると言われています。

「思考力」とはいったいどのような能力なのか? これからの教育はどう変わっていくのか?

それを考える上でキーポイントになるのは、「東大」です。実は東大は70年前から「思考力」を問う問題を出題することをアドミッションポリシーにしており、大学でも学生の思考力を養う授業を展開しているのです。

今回は、いかにして東大生が思考力を身に付けているのか、どうすれば思考力が身に付くのかについてお話ししたいと思います。

もったいぶらずに答えを言うと、東大生は「日常から学ぶ」ことによって、思考力を身に付けています。東大の入試問題では「ジェンガの摩擦を物理学的に答えなさい」とか「カードゲームのブラックジャックで勝つ確率を答えなさい」とか「シャッター通り商店街が増えている理由を答えなさい」とか、そういう日常生活を題材にした問題が多く出題されています。

さらに、東大の授業では「高速道路からわかるシステム工学」とか「ゴジラを題材に考えるメディア論」とか「『の』という言葉について考える言語論」とか、そういう自分の身の回りのことを学びにつなげる授業というのが多く展開されています。