■小さな光も絶対に入れてはいけない
睡眠科学の研究者は、マウスを使った実験を日夜くり返しています。実験条件を厳密にコントロールしておこないますが、なかにはPCモニターの電源をオフにせず、小さな電源ランプをつけたまま帰るおっちょこちょいな学生も。するとマウスの睡眠リズムは大きくくるい、実験は台無しになってしまいます。
光はそれほどまでに、睡眠リズムを左右します。最近では「自然な覚醒のために光を通すカーテンを」「カーテンの端を数cm開け、朝の光が入るように」などの情報も広まっていますが、それは日の出とともに起きる人の場合。6〜8時くらいに起きて出勤する人では、早朝の眠りの質が落ちるだけです。遮光(しゃこう)カーテンを使い、小さな光も絶対に入れない覚悟で臨みましょう。
日本の住宅のせまさは、世界でもよく知られるところ。とくに子どもがいる家庭では、「自室なんて夢のまた夢」という家庭も少なくないでしょう。仕事や作業用のデスクやPCを寝室に置かざるをえないこともあります。けれど寝室は本来、眠るためだけの場所。わずかな光も入れないという意味では、PCもリビングに置くべきです。PCモニターや充電器のわずかな光も、寝室には入れないようにしてください。
■照明も工夫したほうがいい
寝室のライティングも重要です。日本の住宅照明は非常に明るく、寝室であってもビカッと光る白色灯がついていることがあります。暖色系で照度の低いライトに変更したり、床置きの間接照明にするなどして、寝る前に明るい光を浴びずにすむようにしましょう。
仕事のスキルアップのために本で勉強したり、趣味の読書を楽しむうちに、リビングでうっかり寝落ちしてしまうこともありますね。リビングの照明が弱いものだとしても、このような眠りでは、まず疲れがとれません。
弱い灯りをつけたまま眠る実験では、睡眠時間や就寝時刻に影響はなかったものの、眠りが浅くなり、頻繁に目覚めることに(Mead MP, Reid KJ&Knutson KL, 2022)。さらに徐波(じょは)睡眠(編集部注:深い睡眠のこと)が減り、レム睡眠の働きも弱まるなど、睡眠中の脳の活動に大きな悪影響が認められました。
小さな子どものいる家庭では、子どもが暗闇をこわがり、小さな灯りをつけて寝ることも。その場合は、子どもが眠ってからそっと灯りを消しましょう。忙しい育児生活で十分に疲れをとるためにも、大切な工夫です。


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