まさに「アンビリーバボー!」な事態に遭遇した。先日、出張先の宮崎県えびの市に向かって福岡市・天神をバスで出発し、JR博多駅を経由して福岡都市高速道路に入ったところ、バスが急停車。突然の故障だった。私たち乗客は急きょ代車に乗り換えることになり、真夏の炎天下、代車到着まで高速道路内で立ち往生する羽目になったのだ。

 当時、気温は30度以上。手持ちのスマホには「高温注意情報」のプッシュ通知が届いていた。故障はエンジンや燃料・電気系統が絡んでいなかったため、エアコンが止まる心配はなかったものの、停車した場所が場所。本線に入る合流区間の先端部付近。時速80キロ前後で車が流れる走行車線すれすれで、後続の本線合流車による追突の心配もした。

 深い谷底の真上で止まったロープウエー、高層階で停止したビルのエレベーター、レール最高地点で動けなくなったジェットコースター…。心配が高じると、もっと「アンビリーバボー!」な状況に置き換えてしまう。出張に同行した女性同僚は最後部席で後ろ向きに座り、リアの窓のカーテンの隙間から追突を警戒。オーバーだと映るかもしれないが、不測の事態に備えるとはこういうものだ。

 私が試みたのは、乗客同士で共有する情報の収集。しかし、これには苦労した。「いきなりギアの入らんごつなってですね」。熊本弁交じりであたふたする運転手からは、不具合の状況を聞き取るだけで精いっぱい。代車到着の見通しを聞いても「分からんとです」。そんな曖昧な対応に業を煮やして下車したのか、サラリーマンらしき男性が黒いカバンと上着を抱え、高速入り口に向かって合流区間を逆に歩く後ろ姿が見えた―。