『ふぞろいの林檎たち』(TBS系)を始めとした数多くの名作ドラマを手がけた脚本家の山田太一さんが11月29日、老衰のため89歳で亡くなりました。 12月1日放送の『つボイノリオの聞けば聞くほど』(CBCラジオ)、音楽を起点に情報やニュースを届ける「トーマスの箱」のコーナーでは、『ふぞろいの林檎たち』の主題歌、サザンオールスターズの「いとしのエリー」に乗せて、つボイノリオと小高直子アナウンサーがこのドラマについて語りました。

     

恋愛も就職もうまくいかない

「自分と同世代の若者が家庭や職場で起きる問題に向き合いながら、少しずつ成長していく。すごく共感のできるドラマでした」(Aさん)

つボイが『ふぞろいの林檎たち』のあらすじを語り始めます。

『ふぞろいの林檎たち』は、三流大学生たちの青春をリアルに描いた作品。パーティーでモテるのは一流大学の学生で、三流大学の学生たちは相手にされません。

そしてこの風潮はパーティーだけでなく、就職活動においても同じでした。「君の学校じゃうちは無理だね」とはっきり告げられるなど、厳しい現実をドーンとぶつけられてしまいます。

そんな中でも、中井貴一さん、時任三郎さん、柳沢慎吾さんが演じる3人が頑張って生きていく姿を描いていました。

小高「すごいドラマチックな展開ではなくて、日常生活の中に起こる、私たちにもすごく共通する悩みとか事件にどう立ち向かうかみたいなところを描くのが、山田太一さんは得意でしたね」

重役の自殺を止めて内定を得るも…

時任三郎さん演じる岩田健一は、一流会社に入るチャンスに恵まれました。彼が警備のアルバイトの最中にある事務所の窓が開いていることに気づいた時、そこにその会社のお偉いさんがぼーっと座っていたのです。

つボイ「『あのまだいらっしゃるんですか?』『うん、いいから君は向こうへ行きなさい』『いや、僕はここを動きませんよ』。その人は自殺をするためにそこにいたわけですよ」

「いや、君もう行っていいから」「いや、今日はここを動きませんから」という押し問答があり、そのお偉いさんは「わかった」と窓を閉めて自殺を諦めたのです。

つボイ「あとで『君に言葉を掛けてもらって僕は留まった。君のような人が我が社には必要なんだ』と言って、一流会社に行けるようになったんですけれども」

町工場に就職が決まっていた岩田でしたが、そちらを蹴って一流企業に就職することに。
しかし、その重役に岩田を入社させるほどの力はなく、結局岩田は内定を失ってしまったのです。

等身大の人間ドラマ

他にも、子宝に恵まれない嫁をいびる義母など、『ふぞろいの林檎たち』は日本のどこかで起こっていたであろう等身大の人間模様を描いたドラマでした。

ドラマの見どころを、役者になりきって語ったつボイは「疲れた、このコーナー。いろいろな役をやりましたからね」と一言。

つボイにとって、それだけ思い入れの強いドラマだったようです。

「いいドラマやいい感動をいっぱいいただいたな、という感じでした。ありがとうございました」と結んだつボイでした。
(minto)