2024年冬クールの連続ドラマ『不適切にもほどがある』(TBS系)では、昭和と令和の価値観がぶつかり合うストーリーに引き込まれている人が多く話題になっています。 2月21日に放送された『つボイノリオの聞けば聞くほど』では、そのドラマで登場した「インティマシー・コーディネーター」という仕事について、つボイノリオと小高直子アナウンサーが紹介しました。 。

     

聞き慣れない仕事

『不適切にもほどがある』第4話ではトリンドル玲奈さんが「インティマシー・コーディネーター」という仕事で登場しました。

つボイ「ドラマであるシーンが出てきて『これはダメ、これは不適切』とか言うてたやつ」

小高「そうです、ベッドシーンにあれこれアドバイスする…というシーンでした」

耳慣れない仕事ですが、インティマシーは「親密な」という意味。
ヌードやキス、性的なシーンなどのドラマ・映画等の場面で、演じる俳優の身体的・精神的な安全を守りながら、監督の表現したいことを最大限実現できるようにする仕事です。

妥協点を見つける仕事

インティマシー・コーディネーターは、監督・俳優どちらかの希望を優先し、もう片方を説得するのではなく、双方の希望や気持ちをすり合わせて「どの辺りで演じるか・撮影するか」という手助けをする存在。

具体的には、台本や制作側の意図を理解した上で、出演する俳優と「どこまでならOKですか?監督はここまで求めています」と事前にしっかり話し合って撮影を安心してスムーズに進めます。

小高「例えば台本にト書きで『2人がベッドイン。激しくキス』と書いてあったとします。撮影現場では、その台本に従って監督が細かく演出を付けてきますよね?
その演技指導が、俳優にとって想像以上で『え、そこまでするとは思ってなかった。ちょっとそれは…』『そこまでしなきゃいけないんですか?』ってなった時に現場でスケジュールも押していたら、どうでしょう?」

俳優は「自分がごねたらスケジュールが遅れる…」「自分の立場では監督に言えない」と遠慮することもあります。

結果的に、俳優の心に傷が残ったり、出演作を思い出したくない、自分は嫌なのに長期間その作品が多くの人に観られることに苦痛を覚えたりすることもあるのです。

いい作品作りには欠かせない

このインティマシーコーディネーターがいることで、監督と俳優の間でトラブルやすれ違いが起こるのを防げるだけでなく、演じやすくなるという声もあるそう。

つボイ「現場の人すべてが納得して、いい作品を作るために存在しているんですね。確かに視聴者も安心して観ることができる」

小高「この仕事は比較的新しい職業で、2017年にハリウッドで起こった『#Me Too』のセクハラ告発運動がきっかけで、インティマシーコーディネーターの起用が多くなったそうですよ」

需要も増しており、インティマシーコーディネーターの認定システムも構築されているといいます。
実際に、養成機関がアメリカ・イギリス・カナダ・オーストラリアにあり、そこでトレーニングを受けてから仕事に就くため、誰でもすぐに名乗れるわけではないんだとか。

日本には2022年10月時点で2人しかいないという記事があったようですが、日本でもインティマシーコーディネーターが関わる作品は増えています。
ちなみに小高が観たものでは、男女逆転の世界を描いた『大奥』(NHK)などが記憶に残っているとのことでした。
(葉月智世)