5月4日放送のCBCラジオ『つボイノリオの聞けば聞くほど』では、男性の育児休業休暇を特集しました。 特集には朝の情報番組『THE TIME,』(TBS系)の中継で人気の若狭敬一アナウンサーが登場。 実は若狭アナは、先日育児休業休暇を取得しました。 番組では取得について若狭アナが体験を語り、名古屋大学大学院法学研究科教授の田村哲樹先生が日本の育休制度の実情について解説します。

     

法律改正で休みが増えた

若狭アナの妻は、同じくアナウンサーの加藤由香。
お子さんは4月からは保育園に通っていますが、先に加藤アナが育児休暇を取得した後、2か月間若狭アナが休み、さらにもう1度加藤アナが今年3月に1か月休むという、分割して休暇が可能な制度を利用しました。

これは昨年に育児・介護休業法が改正されたことによるもので、より男性が育児休業を取りやすくなっています。

育休は父母ともにこどもが1歳になるまでに最大2回取得でき、保育園に入れないなどの事情があれば、最長で2歳まで取得が可能です。

また、産後パパ育休と言われる出生時育児休業があり、こどもの誕生後8週間以内に4週間まで休業できます。

女性は産前産後に休暇がありますが、男性も一緒に面倒を見るための制度です。

その他にもこどもの看護のために休みが取れたり、時間外労働の制限や転勤の配慮、育児休業を取得したことで不当な扱いやハラスメントを受けることの禁止など、法律としてはかなり手厚いものとなっています。
ユニセフは2021年に日本が世界一育休制度が優れている国と報告しています。

育休を取りやすくする工夫

しかし、育休制度がいくら充実していても、実際に取りやすくなければ意味がありません。
また、育休を取る機会がない人の中には、不公平に感じる人もいるかもしれません。

こうした環境から育休を取りやすくする工夫も必要です。
例えば三井住友海上火災保険では、育休を取得する人の職場全員に対し、最大で10万円の応援手当を支給する制度があります。

田村先生「非常に難しい時代になっていて、男性も育休を取って子育てをしないと、男女間での平等やバランスが悪いってことになってるんですが、他方で誰もがこどもを持つというふうにも見なせないとか、こどもを持つ人も持たない人もいて、どっちも大事なんだというふうになってくる。

そうすると、こどもを持っている人だけのサポートだけ強くなると、空気とか雰囲気を悪くしてしまう。

できれば、いろんな立場の人が等しく恩恵やメリットを受けられる仕組みや発想が大事なんじゃないかなという気がします」

育休は取って欲しくない?

そして実際に育休を取得した若狭アナにも気になることがあると言います。

若狭「産みたくても、持ちたくてもできなかったという方々にとっては、育休の話題自体もセンシティブで、ちょっと心が傷ついてしまう方もいらっしゃるので、取り扱いもすごく難しいと思います」

過去に育休を取得した小高直子アナウンサーも、女性側からの意見を述べました。

小高「全員が全員、男性にとって欲しいと思ってるわけではないかもしれない」

育休取得中は賃金の67%が給付されることになります。つまり収入は減ることになります。

また、夫が育休を取って家にいても結局そこまで育児に参加せず、気がついたら妻は夫とこどもの両方の面倒を見ていたという話もあります。

男女参加で重要なこと

田村先生「女性の方から『男性がいても困るんだよね』とか『ここは私は譲れない』ということがあって、研究ではゲートキーピング、門番と言うんですけど、女性がどうしても家庭を守ってしまう。

できない夫に『料理ができないならやらなくてもいい』『洗濯物をたためないんだったらたたまなくてもいい』と言ってしまう。

それはやっぱり、男女間の役割分担を男性だけではなくて女性も内面化している可能性があるので、意識を見直していく。

家事や育児をやっていくのに、こだわりを手放すと。
私はこう思う、こうあるべきというこだわりをなくすことも大事だと思います」

自分で決めたルールに縛られず、2人であらためて考えてみるということが大事なのかもしれません。
(岡本)
 

つボイノリオの聞けば聞くほど
2023年05月04日10時14分〜抜粋(Radikoタイムフリー)