2月22日に愛知県稲沢市で開催された伝統行事「国府宮はだか祭」に、史上初めて女性が参加したことが話題になりました。 2月24日放送のCBCラジオ『大石邦彦のNOW ON SHARE!』では、CBC論説室の大石邦彦アナウンサーが「国府宮はだか祭」から見える祭りの未来を考えます。

     

4年ぶりの通常開催

毎年旧暦正月13日に、愛知県稲沢市で開催される「国府宮はだか祭」。
近年コロナ禍によって中止や実施制限が続いていましたが、今年は4年ぶりに人数制限やマスク着用制限のない通常開催となりました。

コロナ禍で存続が危ぶまれたものといえば、花火です。

大石「外とはいえ、密が禁止されていました」

火薬・マグネシウム(金属類)・紙などの原材料費の値上げも相まって、祭りの開催と同時に行われていた花火大会も中止に追い込まれていました。

そして、花火大会同様に危ぶまれていたのが、神事や祭りの存続。各地域で過疎化と高齢化が進み、担い手も不足していたためです。

大石が取材したところ、「神事や祭りは3年途絶えると継続が難しい」と口を揃える主催者たち。
これまで伝統の技を継承できていたのは「毎年やっていたから」だと明かします。

1000年以上続いた「蘇民祭」は終了

長い歴史に幕を下ろしたのは、1000年以上続いていた岩手県黒石寺の「蘇民祭」です。
国府宮と同じく、こちらも「はだか祭り」でした。

大石「これが終わってしまったんですね」

そもそも「はだか」であることの意味は「神仏の前で隠し事をしない」こと。
「ジャッソー」という独特な掛け声には「邪を正す」という意味がありました。
歴史ある蘇民祭が途絶えた原因は、やはり担い手の高齢化と後継者不足によるものでした。

一方、1200年前から続いている「国府宮はだか祭」は、地元でも非常に人気の祭りです。

厄除けの神事では「神男(しんおとこ)を触ると厄が落ちる」とされています。
男たちがぶつかりあうさまは圧巻でした。

そして今回、女性が初めて「儺追笹(なおいざさ)の奉納」に参加することに。
参加した7団体のうち、「縁友会」というおよそ40名の団体を密着取材した大石。
女性たちは法被と短パン姿で担いだ笹を本殿に奉納していました。

この歴史的な変化の裏には、「男の祭りであって、女人禁制ではないのか?」との疑問の声もあったようです。

大石「私もそう思っていました」

女人禁制ではなかった

ところが「国府宮はだか祭」の歴史を調べてみたところ、もともと「女人禁制」というルールはなかったことが判明。
どうやら「はだか」のイメージが先行し、いつからか「女人禁制ではないか?」という認識に変わっていた、というのが真相のようです。

であれば、何らかの形で女性が参加できないだろうか?と関係者らが模索し、今回実現の運びになりました。
ただ、長らく続いていた伝統行事だけに、「女性が法被を羽織る」という前代未聞の挑戦は批判も受けたそうです。

大石「でもね、皆さん。祭りはいろいろあるんですね。クライマックスなのは事実なんですが…あれ(儺追笹の奉納)だけではないんです。どれも大切な神事」

女性の社会進出や、ジェンダーの平等が当たり前のように叫ばれる昨今。
「はだか祭であれ、女性参加の流れはもはや必然」と大石。

大石「私はこういうやり方もあり、と思いました」

頑なに形式を守るのではなく、時代に合わせて柔軟に変化するからこそ、伝統は人々によって支持され、後世に受け継がれていくのかもしれません。
女性の参加によって担い手不足の問題も解消される、と伝統行事の変革を前向きに受け止める大石でした。
(nachtm)