昨秋、首相が生活する場所である首相公邸で「お化けが出る」という噂がSNSを駆け巡りました。 同じように各都道府県の知事にも用意されているのが「知事公舎」で、「知事公邸」「知事公館」とも呼ばれています。 いま全国的に廃止の動きが広がっており、例えば島根の知事公舎は3月に一般公開された後、その月末に廃止する予定となっています。 1月24日放送『多田しげおの気分爽快!!〜朝からP•O•N』(CBCラジオ)では、CBC論説室の石塚元章特別解説委員が、知事公舎の存在意義や現状などについて解説しました。

     

知事公舎の必要性

そもそも、首相と同じように知事にも住まいが用意されているのは、なぜなのでしょうか?

一番の理由は住宅事情で、知事に当選した方の自宅が必ずしも県庁の近くにあるとは限らないため、緊急事態の時にすぐに駆けつけられたり、連絡が密に取れたりできるよう、県庁のそばに知事公舎を用意しているというわけです。

知事公舎の広さは都道府県によってまちまち。
北海道はかなり広大な敷地の中に建物がいくつかあったり、昨年4月に当選した徳島県の後藤田知事は「広くて住みにくい」として、現在も住んでいないそうです。

ただ、通信手段が発達してすぐ連絡がついたり、都心には便利なマンションがいくつかあるなどの理由で、知事公舎の必要性は薄れているのです。

廃止した場合の問題点

知事公舎の廃止はどんどん広がっていて、47都道府県のうち知事公舎を持っていないのは、約4割となる18団体となっています。

また所有する29団体のうち、現在空き家となっているのは9団体。その理由として老朽化、
不便、維持費がかかるといった課題があるようです。

ただ、その代わりにマンションを使用するとしても、地方では意外と見つけるのが難しく、東京、大阪、名古屋などの大都市圏のようにはいかないのだそう。
特に高いレベルのセキュリティも求められ、どのマンションでも良いというわけにはいかないのです。

廃止後の活用法

知事公舎を廃止した県の中には、跡地にマンションを建てたケースもあります。
県庁の近くとなると一等地であることも多く、有効利用されているようです。

その他、知事公舎の建物をつぶさずに残すケースもあり、奈良県では歴史的な価値があるためにリノベーションの上ホテルとして残しています。

奈良の知事公舎には、急ぎサンフランシスコ講和条約で署名が必要となったため、行幸でお泊りになられた昭和天皇がその場で署名されたという歴史的なエピソードがあります。
知事公舎は知事が住むだけではなく、迎賓館などとしての役割もあったため、このようなできごともあったわけです。

その他にもレストランや結婚式場として活用している県もあり、廃止後には活用する余地がありそうです。
(岡本)