昨年末から騒がれている政治資金パーティー裏金事件。 自民党は派閥の解散に乗り出す姿勢をみせる一方、「政策集団」として存続させる意向を示しています。 「政治とカネ」問題の温床となる派閥をなくすことはできるのでしょうか? 1月27日放送の『大石邦彦のNOW ON SHARE!』では、CBC論説室の大石邦彦アナウンサーが自民党の派閥問題について解説します。

     

派閥は党内のいわば「推し活」

派閥問題で揺れ動いている自民党。
岸田総理は「派閥政治から完全に脱却する」と宣言したものの、自民党は派閥解散には踏み込まず、「政策集団」として存続させるという決断を下しました。

大石「どうして全廃にならなかったんでしょうか?今日は派閥問題を紐解いていきます」

そもそも、派閥が今回クローズアップされるきっかけになったのは、昨年末から取り沙汰されている「裏金問題」との関わりからでした。

大石「政治の世界における、特定のリーダーへの「推し活」と言っていいと思いますけどね」

岸田さん推しなら「岸田派」、というふうに、派閥をアイドルグループの「推し活」になぞらえる大石。

大石「皆でリーダーを担ぐ。その集団ができる」

そうした活動が裏金の温床になっていると指摘されています。

岸田総理との喧嘩は演技?

自民党の派閥の内訳を見ると、岸田派46人、二階派38人、安倍派98人、森山派8人、麻生派56人、茂木派53人。

森山派は馴染みが薄いかもしれませんが、東京都知事を務めた故石原慎太郎氏の長男・石原伸晃氏が所属していた石原派が名称変更したもの。

大石「こういった派閥が自民党内にはあるわけなんですよ」

「派閥解散」を宣言した岸田総理の意向とは裏腹に、麻生派と茂木派のように「解散しない」と宣言する派閥も。
対決姿勢を裏付けるごとく、岸田総理と麻生氏が喧嘩したかのようにお店から出てきたことがニュースになっていました。

ただ、麻生氏の言動は「怒ったフリ」の演技ではないか、と訝る大石。
というのも、麻生派と岸田派は実はもともと同じ集団で、紆余曲折を経て現在の形に分離した経緯があるそうです。

大石「その2つが将来的には一緒になるんではないか、約束しているんじゃないか、と私は穿った目で見てましたけどね」

派閥決別もいつからか復活

今回の騒動は、かつて目にした光景を見ているようだと断じる大石。

大石「派閥は絶対復活しますから」

派閥が問題視された政治史として引き合いに出したのは、未公開株が賄賂として贈られた1989年の「リクルート事件」です。

当時も「政治とカネ」の問題が大々的にクローズアップされ、自民党は自らの信頼回復のため「政治改革大綱」を作りました。
国会議員や選挙制度のあり方などがまとめられたその方針には、派閥の弊害除去と解消への決意も含まれていたのです。

大石「派閥は弊害なんだ、解散しなきゃダメなんだ、という決意を表明しているんです」

こうして、いったんは派閥から離れた自民党。
一時は反省からか、竹下登・元総理の一派も「旧・竹下派」という呼び方に変わりました。
ところが、決別したはずの派閥は、いつの間にか元通りに。

大石「水面下では存続して、当たり前のように復活していった」

現在、「中間とりまとめ案」を作成中の政治刷新本部。
「政治資金パーティー禁止」「組閣人事のはたらきかけ禁止」「関係団体の収入は(裏金作りに繋がる)現金をやめ、銀行振込を基本とする」などが盛り込まれています。

大石「最終的にどうなるのか?」

とにかくお金の出入りをしっかりと明確にしてほしい、と訴える大石。
派閥の擬似的な解散によって有耶無耶にせず、根本的な政治改革が待ち望まれます。
(nachtm)