今回は、中学生にして2020年全日本選手権のジュニアの部で準優勝を飾るなど規格外の強さを誇る、松島輝空を紹介します。プロフィール、使用用具、プレースタイルなどの基本的な情報から、国際大会での戦績についても触れていきます。

松島輝空とは?

松島輝空は、全日本選手権バンビの部やカブの部で優勝を重ね、アジアでも指折りの選手として評価されています。2020年に中学生になったばかりで、高校生や社会人選手、さらには全日本選手権でランク入りしている選手とも互角に渡り合っていることから、それまで「スーパー小学生」と言われていたほか、日本代表として国際大会で活躍している張本智和と境遇が似ていることから「張本2世」とも称されています。

14歳にして数々の大会残している残している松島輝空のプロフィールを見ていきましょう。

松島輝空のプロフィール

松島輝空(まつしまそら)は2007年4月29日生まれの16歳(2023年12月時点)で、京都府京都市出身です。同市にある田阪卓球会館でコーチを務める、元実業団選手の両親のもとで卓球を始めました。4兄妹の長男で、弟の翔空(とあ)、妹の美空(みく)と愛空(あいら)も卓球選手です。

松島は幼少期より厳しい練習に励み、2014年〜2019年にかけて全日本選手権ホープス、カブ、バンビの部で張本智和以来となる6連覇を達成しました。

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写真:松島輝空/提供:ittfworld

小学校卒業後は、星槎中学に進学。JOCエリートアカデミーに入り、トップ選手を目指す道を歩み始めます。そして、中学2年時には全中男子シングルスで優勝を飾りました。

松島輝空
写真:松島輝空/撮影:ラリーズ編集部

卓球国内リーグ・Tリーグには2020-2021シーズンより参戦しており、木下マイスター東京に所属しています。参入初年度の3rdシーズンにはダブルスで初勝利をあげると、4thシーズンはシングルス4勝4敗、ダブルスは6勝6敗の成績を残し、チームの主力に成長しました。

松島輝空
写真:松島輝空/撮影:ラリーズ編集部

順調に成長を遂げていた松島は2022年6月、パリ五輪出場を目指すため、JOCエリートアカデミーを卒業してプロ転向を果たす決断を下します。その後は、木下グループの木下アカデミーに所属し、8月に開催された全中では男子シングルス優勝を果たし、全中2連覇を達成しました。

また、松島は国際大会でも活躍を続けています。2022年にはWTTユースコンテンダーで5度の優勝を飾ると、2023年にはWTTコンテンダーリマ男子ダブルス優勝、WTTコンテンダーリオデジャネイロ男子シングルス準優勝、WTTコンテンダーマスカット混合ダブルス準優勝と、シニアの大会でも成績を残しています。

松島輝空
写真:WTTコンテンダーリオデジャネイロ2023男子シングルス表彰式/提供:WTT

特に、WTTコンテンダーリオデジャネイロでは、李尚洙(イサンス・韓国)、ドミトリ・オフチャロフ(ドイツ)、趙勝敏(チョスンミン・韓国)と、世界トップレベルの選手を次々と撃破しました。

松島輝空のプレースタイル

松島輝空の戦型は左シェーク裏裏の攻撃型で、小柄ながらパワフルな両ハンドと巧みなコース取りが特徴です。

松島輝空のように小柄な選手は、一般の高校生や社会人選手には力負けしてしまうことが多いのですが、松島はミスをしないプレーとそれを可能にさせる用具のバランスがとても良いです。

松島輝空
写真:松島輝空/撮影:ラリーズ編集部

また、松島の持ち味はコース取りにあります。小柄な選手ほど振り回されると不利になる部分が多いのですが、松島は先に相手を振り回すような戦術を駆使することで、自らの動きを少なくしつつミスを減らしています。それに加えて、ドライブのクロスとストレートへの打ち分け、右利きの選手から逃げていくようなシュートドライブも上手で、ラリーにおいて常に自分優位な戦い方をしています。

松島輝空の使用用具

松島輝空はバタフライの契約選手で、ラケットはバタフライの『張本智和インナーフォー ALC』、ラバーはフォア面にバタフライの『ディグニクス05』、バック面にバタフライの『ディグニクス09C』を使用しています。

松島輝空の世界ランキング

松島輝空の世界ランキングは36位(2023年12月時点)で、最高ランキングは34位(2023年11月)です。

ユースランキングでは6位(2023年11月時点)となっています。

松島輝空の国内大会での主な成績

2014年全日本選手権(バンビの部)男子シングルス:優勝
2015年全日本選手権(バンビの部)男子シングルス:優勝
2016年全日本選手権(カブの部)男子シングルス:優勝
2017年全日本選手権(カブの部)男子シングルス:優勝
2018年全日本選手権(ホープスの部)男子シングルス:優勝
全日本選手権(カデットの部)13歳以下男子シングルス:優勝
2019年全日本選手権(ホープスの部)男子シングルス:優勝
2020年全日本選手権ジュニア男子シングルス:準優勝
2021年全中男子シングルス:優勝
2022年全日本選手権男子シングルス:ベスト16、ジュニア男子シングルス:準優勝
TOP32東京大会男子シングルス:5位
全中男子シングルス:優勝
TOP32福岡大会男子シングルス:5位
2023年全日本選手権男子ダブルス:準優勝、ジュニア男子シングルス:準優勝

松島輝空の国際大会での主な成績

2018年台北ジュニア&カデットオープンU15男子シングルス:準優勝
2019年アジアジュニア&カデット選手権U15男子シングルス:5位
東アジアホープス卓球大会男子シングルス:優勝
スウェーデンジュニア&カデットオープンU18男子シングルス:ベスト4、U15男子シングルス:準優勝
2021年世界ユース選手権U15男子シングルス:金メダル、U15男子ダブルス:金メダル、U15混合ダブルス:金メダル
2022年WTTユースコンテンダーベルリンU17男子シングルス:優勝、U19男子シングルス:準優勝
WTTユースコンテンダープラジャダロU17男子シングルス:優勝
WTTユースコンテンダーヘルシンボリU17男子シングルス:優勝、U19男子シングルス:優勝
2023年WTTコンテンダーリマ男子ダブルス:優勝
WTTユースコンテンダーベルリンU17男子シングルス:優勝、U19男子シングルス:準優勝
WTTユースコンテンダーブワディスワボボU19男子シングルス:優勝
WTTユースコンテンダーパナギュリシテU17男子シングルス:優勝、U19男子シングルス:準優勝
WTTコンテンダーリオデジャネイロ男子シングルス:準優勝
WTTコンテンダーマスカット混合ダブルス:準優勝
世界ユース選手権U19男子ダブルス:銅メダル、U19男子団体:銀メダル

まとめ

パワフルな両ハンドとともに成長期真っ只中にいる少年がどのようなプレーで国内、そして国際大会を勝ち上がっていくのか。今後の彼の成長と活躍に期待です。

文:ラリーズ編集部