「アメリカの卓球選手といえば?」

そう聞いた時に多くの人が思い浮かべる人物、それはチャン・リリー選手でしょう。

ユースオリンピックでアメリカとして初のメダルを獲得、ワールドカップでは平野美宇選手(木下グループ)に勝利を収めるなど、誰しもが認めるアメリカ卓球界のエース。

そんな彼女に、「JOOLA GLOBAL CHAMPIONSHIPS」でお話を伺うことができました!

チャン・リリー選手にインタビュー

――試合の合間にお時間いただきありがとうございます!

今回の大会はいかがですか?

チャン・リリー:今の所いい感じだよ!

初日はプエルトリコのFabiora選手(世界ランク224位)に1-3で負けていて、その試合は苦しかったけどなんとか逆転できました。

写真:JOOLA GLOBAL CHAMPIONSHIPSの様子/撮影:Ayano
写真:JOOLA GLOBAL CHAMPIONSHIPSの様子/撮影:Ayano

――私もその試合見てました〜
リリーさんの心の中にある使命感というか、苦しい場面でも絶対に諦めない強い気持ちを感じました…
チャン・リリー:ありがとう。苦しい場面を乗り越えてきた経験値だよね。

急速に発展しているアメリカの卓球

写真:JOOLA GLOBAL CHAMPIONSHIPSの様子/撮影:Ayano
写真:JOOLA GLOBAL CHAMPIONSHIPSの様子/撮影:Ayano

――早速質問していきたいのですが、私はアメリカに来るまで正直、卓球がこんなにたくさんの人に愛されていて、みんなが楽しめるシステムや環境が整っていることを知らなくて。

リリーさんが卓球を始めた頃と最近では、アメリカの卓球界は変わってきていますか?

チャン・リリー:うん、間違いなく変わっていると思う。

私は7歳の時に卓球を始めたんだけど、その時は卓球クラブは地域に1つだけ。

でもそれから20年経った今、私が住んでいるカリフォルニアには、車で10分走れば卓球クラブがある、みたいな!これからももっと発展していってほしいね!

チャン・リリー
写真:世界ランキング36位(2022年9月末時点)に位置するチャン・リリー(アメリカ)/提供:WTT

――私はもっと発展していくと確信しています!

リリー選手のような強い選手も既にいるし、アメリカが移民の国というのも強みだと思っています。

将来はもっといろんな国から選手が集まって、アメリカ代表として一緒に戦う、みたいなことができるんじゃないかと。

チャン・リリー:そうだよね!

今も既にたくさんの選手やコーチが世界中から来ていて、そうやって卓球を通してアメリカに集まって、たくさんの国際交流ができるって素敵だよね。

写真:2021年には世界卓球が初めてアメリカで開催された/撮影:ラリーズ編集部
写真:2021年には世界卓球が初めてアメリカで開催された/撮影:ラリーズ編集部

――本当にそう思います!

日本は強い選手や卓球愛好家がすごく沢山いるんだけど、コミュニティとなると日本人だけで。

国際交流が生まれる大会とかがあれば良いなあ、と思ったりしています。

1日2時間の練習で世界のトップに 国際大会で得た経験

混合ダブルス
写真:世界卓球ヒューストン大会では混合ダブルスで銅メダルを獲得したチャン・リリー/撮影:ラリーズ編集部

――今リリー選手は、アメリカだけではなく世界でもトッププレーヤーのうちの一人ですが、どのように強くなってきたのでしょうか?
チャン・リリー:実は学生時代はあまり長時間の練習はしていなくて。

両親が勉強も重視するように教育してくれたから、学校がまず第一で、練習は1日2時間とかだったかな…?

――それは日本人にとっては短すぎますね(笑)。
チャン・リリー:でしょ?笑

中国とか日本とかは、1日十何時間も練習できる環境が整っていて、強い選手がたくさん育っていく素晴らしい場所だと思う。

息する・食べる・寝る・卓球。以上!みたいな笑

チャン・リリー
写真:チャン・リリー(アメリカ)/提供:WTT

チャン・リリー:私にはそれがなかったんだけど、幸運にもアメリカがたくさん国際大会に送り出してくれて。世界中で試合をして、そこで得た経験が強くしてくれたと確信しているな。
――なるほど!

今まで行った国で特に良い経験ができた国ってありますか?

チャン・リリー:日本だね!

もちろん卓球もすごく強いんだけど、とにかく日本は食べ物が素晴らしい。寿司・ラーメン・焼肉…本当になんでも好き。

日本の良さを熱弁するチャン・リリー
日本の良さを熱弁するチャン・リリー

チャン・リリー:あとは人がみんな礼儀正しくて。

日本語がわからなくても親切にしてくれるし…。

――嬉しいです!

じゃあ私は日本でリリー選手を待っていますね!

チャン・リリー:本当に早くまた行きたい!

アメリカと中国を繋いだ世界卓球での銅メダル

写真:世界卓球ヒューストン大会で林高遠(リンガオユエン・中国)とダブルスを組んだチャン・リリー/撮影:ラリーズ編集部
写真:世界卓球ヒューストン大会で林高遠(リンガオユエン・中国)とダブルスを組んだチャン・リリー/撮影:ラリーズ編集部

――リリー選手が林高遠選手と銅メダルをとった2021年の世界卓球について聞かせてください。

私はその瞬間を見て、すごく感動しました…。現在、政治的には関係が良くない2カ国だけど、卓球がそれを繋いでくれたようで。

チャン・リリー:ありがとう!

まず第一に、超緊張してた(笑)

言うまでもなく林高遠選手は世界のトッププレーヤーだし、プレッシャーも大きくて。手もガチガチ震えるし、「お願いだから入って!それで彼が決めて!」みたいな。笑

写真:世界卓球ヒューストン大会で林高遠(リンガオユエン・中国)とダブルスを組んだチャン・リリー/撮影:ラリーズ編集部
写真:ベンチでアドバイスを受ける林高遠/チャン・リリーペア/撮影:ラリーズ編集部

――そうなんですか?笑

その時はどうやって緊張を克服したんですか?

チャン・リリー:初めはそんな感じで緊張していたんだけど、卓球がアメリカと中国を繋いでくれている、こんな素晴らしい瞬間を過ごせていることが、本当に幸せだと思えるようになって。

中国とアメリカ

チャン・リリー:更に2021年はピンポン外交(※)50周年の記念年でもあったんだよね。いろんな物が組み合わさって、本当に夢のような時間だったなあ…。
※1971年、名古屋で行われた世界卓球に中国が参加し、米中国交正常化のきっかけとなった

写真:林高遠/チャン・リリーダブルス/撮影:ラリーズ編集部
写真:林高遠/チャン・リリーダブルス/撮影:ラリーズ編集部

――素敵すぎます…!

私もその時、卓球って本当に美しいスポーツだと感じました。

インタビュー
写真:世界卓球ヒューストン大会でインタビューに応じる林高遠とチャン・リリーのペア/撮影:ラリーズ編集部

アメリカに五輪メダルを

――では最後に、今後の目標についてお伺いしても良いですか?
チャン・リリー:今のメインの目標としては、2024年のパリ五輪でメダルを獲ること。

アメリカは今まで一度もメダルを獲得したことがなくて、もしそれが叶ったら夢のように嬉しいね!

――本当に素晴らしいです!!実は私の目標は、パリ五輪のレポートを現地ですることで!
チャン・リリー:それめっちゃいいじゃん!2年後パリで会おう!
――はい!
リリー選手の活躍を心から応援しています!

取材を終えて

常ににこやかにインタビューに応じてくださったリリー選手の心の中には、アメリカの卓球界を牽引し続ける強い使命感と覚悟が感じられました。

私自身、今回のお話の中でリリー選手から学んだことが多すぎて、まだまだ自分の知らない卓球の可能性が、沢山あるのだと実感させられました。

これからのリリー選手の活躍、アメリカ卓球界の発展に期待しましょう!

取材・文:Ayano