2017年7月20日、韓国・朝鮮日報によると、韓国の幹細胞研究が黄禹錫(ファン・ウソク、2005年のES細胞ねつ造事件の当事者)・崔順実(チェ・スンシル、朴前政府の国政介入事件の中心人物)問題により停滞している。一方、日本は2012年に京都大の山中伸弥教授が人工多能性幹細胞(iPS細胞)でノーベル賞を受賞したことをきっかけに、幹細胞治療薬の最強国になりつつある。

神戸市の理化学研究所多細胞システム形成研究センターでは世界初となるiPS細胞を使った眼球の網膜の再生が行われている。これまでに2人の患者に治療が施されたという。開発者の医師は「大きな副作用なく治療が行われている。それぞれ異なる血液型と遺伝子型を持った10人余りで網膜の幹細胞バンクをつくれば、日本人の85%に普遍的に移植することができる」と話している。また、角膜損傷の患者約30人にはすでに角膜再生細胞の移植治療が行われ、食道がんにより食道が裂けた患者約20人には食道の粘膜細胞の移植治療が行われた。このように、日本では多方面で幹細胞治療薬が開発され、患者に使われている。

日本の幹細胞治療が活性化したきっかけは2014年11月の医療品関連の法律改定。幹細胞治療薬の場合、初期段階の臨床試験で安全性に問題がなければ使用承認許可を与え、治療の過程を見ながら副作用の有無を監視・管理する内容だ。使用時期を1〜3年早め、開発費用を数億〜数十億円減らす効果がある。

このような医薬品に迅速に許可を与える方式は2010年代初期、韓国で先に立案されていた。しかし、韓国では法律に幹細胞を含めるかどうかの論争が続き、結局のところ法案は見送られた。その間に日本の厚生省が韓国の法案からアイデアを得て、2014年に導入したという。

現在、世界中の細胞治療薬会社が続々と日本に集結しており、富士フイルムなどの日本企業は米国の幹細胞会社を次々と買収している。さらに、日本政府は2015年に再生医療を含む生命科学の基礎研究から産業化までを総括する「日本医療研究開発機構」を立ち上げた。

一方、韓国は生命科学の研究開発(R&D)が保健福祉部や未来創造科学部など複数の部処に分かれており、「効率が下がる」と指摘されている。これに対し、疾病管理本部のホ・ヨンジュ生命医科学センター長は「韓国にも胚性幹細胞と人工多能性幹細胞バンクが用意されている」とし、「研究・開発が活性化する条件が整えば3年以内に日本のレベルに到達できる」と主張している。

この報道に、韓国のネットユーザーからは「これも全て朴槿恵(パク・クネ前大統領)のせいだ」「無能な政治家のせいで韓国は退歩している」「後で『幹細胞は韓国のもの』と喚かないでね。幹細胞を捨てたのは自分たちなのだから」など政府に対する批判の声が多く寄せられている。

また、「幹細胞の最強国だった韓国が…。後悔しても遅い」「韓国はまだ朝鮮時代から抜け出せていない」「韓国には主権国家としての資格がないのでは?」「生命の倫理を守ったせいで、多くの生命が死んでいっている」「やっぱり日本は先を行っている。韓国が倫理だの道徳だのと言って時間を無駄にしている間にしっかり実利を得ている」「日本はばかを天才に育てるが、韓国は天才をばかにしてしまう」などと嘆く声も。

そのほか、「今からでもいい。早く法案を通過させて」と訴える声や、「今まで積み上げてきた原発技術も同じように失うのだろう」と指摘する声もみられた。(翻訳・編集/堂本)