2017年の年末、日本ではスズキ自動車、スバル、トヨタグループのダイハツ工業、日野自動車の自動車4メーカーが、トヨタの主導する電気自動車(EV)開発の新会社に参加することを決定した。すでに参加しているマツダ、デンソーとともに7メーカーによる連盟が立ち上がり、知的財産権を共有し、EV基礎技術の構築を加速するとしている。

ここ数カ月の間に、トヨタはEVへのモデル転換の歩みを明らかに加速させてきた。まず2030年前後にグループの世界販売量におけるEVの割合を現在の約15%前後から50%に引き上げると宣言し、30年までに車載電池の開発に1兆5000億元を投入するとした。続いてパナソニックと提携し、EV電池事業の共同開発に乗り出した。

世界自動車産業のリーダーの一角であるトヨタは、これまでEVに対し消極的な態度を取り、ハイブリッドカー(HV)と水素エネルギー車の開発に主に力を注いできた。このたびEVに向かって大きく前進したことには、2つの原因があるとみられている。1つはライバルの独フォルクスワーゲン(VW)グループが「排ガス不正問題」の後、EVの開発を加速させ、25年までに80車種を打ち出すとしたことだ。もう1つは世界的に自動車の環境保護規制が強化されていることだ。英国は40年にガソリン車の販売を全面的に禁止すると発表。世界最大の自動車市場である中国もEVの販売比率を引き上げるとともに、ガソリン車の販売禁止が議事日程に上がる見込みだ。

トヨタがこれまでEVに熱心でなかったのは、車載電池の技術というボトルネックがあったからだ。現行の液体電池は安全性とエネルギーの密度で長距離走行のニーズに対応できない。そこでこれからは電池技術で飛躍を遂げた者が、EV市場のカギを握るとみられる。

トヨタが選んだパートナーのパナソニックは、電池開発でトップメーカーとしての優位性を備え、米国テスラに電池を提供するサプライヤーでもある。パナソニックの津賀一宏社長はこのほど、「トヨタと協力して次世代の全固体電池を開発する。5〜10年で全固体電池への移行が完了する見込みだ」と述べた。

全固体電池はプラス極、マイナス極、電解質がすべて固体で、液漏れの問題がなく、安全性が高い。数分もあれば充電が完了し、現在主流のリチウムイオン電池の数十分に比べ、充電時間が大幅に短縮される。電池の容量も大きくなり、1回の充電で走行できる距離も長くなる。

日本の自動車産業のシニア・コンサルタントによると、「EV戦略はトヨタや日本の自動車メーカーにとって大きな挑戦だ。従来のガソリン車が2万点ほどの部品を必要とするのに対し、EVは1万点ほどで足り、運営モデルも情報技術(IT)産業や電子産業に近く、部品のインターフェースが標準化されていて、つなげばすぐに利用できる。EVのこうした特性は、日本メーカーが得意としてきたたくさんの部品メーカーが協力し合うこれまでの優位性を打ち破ることになる。また、電池がEVのコストの60%前後を占めるため、日本メーカーの既存のバリューチェーンは大幅な調整を迫られることになる」という。

トヨタの豊田章男社長はこのほど、「日系自動車メーカーは手を取り合って電池の統一規格を制定し、海外の同業者との競争に立ち向かおう」と呼びかけた。

EVの3大コア技術である電池、モーター、インバーターで、日本は現在すでに一定の優位性を備えるが、欧米と中国が猛烈に追い上げる。VWは18〜22年に340億ユーロ(約4兆6019億円)を投入してEVの技術開発を進める計画を発表。前出のシニア・コンサルタントは、「EV産業には大型の投資が必要だ。日系メーカーがこれまでの考え方に固執するなら、機会を見失うことになる」と注意を促す。

だがトヨタの内山田竹志会長は、「完全電気自動車は航続距離、電池の寿命など解決しなければならない課題がなお山積みだ。自動車が完全に自動化される時代はまだしばらく先のことになる。HVとプラグインハイブリッドカー(PHV)が長らく主流であり続けるだろう」と予測する。(提供/人民網日本語版・編集/KS)