「中共中央国務院の海南省の改革開放全面的深化サポートに関する指導的意見」が14日に発表され、海南省をめぐる一連の新たな改革開放策が明らかになった。海南島に自由貿易試験区を建設し、中国の特色を備えた自由貿易港の建設の安定した推進を段階的に進めるという開放策は、海南省にとって何を意味するのだろう? 北青網が伝えた。

注目ポイント1:なぜ海南島に自由貿易港を建設?

海南省は中国にある経済特区5カ所のうちの1つで、その中でも広さの面で群を抜いており、深セン、珠海、汕頭、アモイの面積の総和を超える広さを誇る。

では、なぜ海南省で自由貿易港の建設に取り組むのだろう?

中国(海南)改革発展研究院の遅福林(チー・フーリン)院長は、「海南は陸地が最も小さい省であるものの、海洋が最大の省。今後、中国の海洋発展戦略に従い、自由貿易港を建設することは海南省の発展にとって必要なだけでなく、中国の新しい時代の対外開放をめぐる全体的な戦略の駒の一つでもある。海南省は中国が新たな改革開放策を実施する期間、重要な戦略的役割を果たすだろう」と分析している。

中国国家発展・改革委員会国土開発・地区経済研究所の元所長である、中国地域経済協会の肖金成(シャオ・ジンチョン)副会長は、「海南省は改革開放とイノベーションの窓口で、省になり経済特区となって以降、さまざまな策がそこでまず試験的に実施されてきた。その他、海南省は島という地理的特性上、非関税区は物理的に隔離された場所に設置されるべきで、内陸での隔離は難しい」と説明する。

注目ポイント2:自由貿易区と自由貿易港の建設が意味するところは?

海南省の新たな改革開放策の一つは、自由貿易試験区の設置サポートだ。統計によると、現時点で、中国では3期に分けて自由貿易試験区が11カ所に設置され、「1+3+7」試験ポイントが形成されている。

海南省の自由貿易区にはどんな特徴があるのだろう?遅院長は「まず、海南省の最終目標は、自由貿易港を建設することであるのに対して、天津、上海などは今でも自由貿易試験区で、目標が違う。次に、海南省の面積は約3万5000平方キロで、他のどの自由貿易区よりも大きい。地理的条件にしても、自然的条件にしても、海南島は自由貿易区を建設するのに適している」と分析する。

自由貿易試験区と自由貿易港の違いについて、肖副会長は「島全体を範囲として自由貿易試験区を建設するためには、アライバルビザなどの一連の措置を講じなければならないだろう。また、海外の金融機構が支店を設置できるようにしたり、海外の医療機構も海南に進出したりできるようにするというのも、実際には自由貿易区をめぐる措置。自由貿易港は開放度の高い規則を採用しなければならず、最も際立っているのは地域内におけるゼロ関税(非関税区)を実施することだ」と指摘する。

自由貿易港の建設は、自由貿易港政策と制度体系を順を追って、段階的に構築することで進められる。海南省に自由貿易区を設置し、自由貿易港としていく計画について、前出意見は、2025年までに自由貿易港制度を構築し、ビジネス環境を国内一流の水準に向上させ、35年までに自由貿易港の制度体系や運営スタイルを成熟させ、ビジネス環境を世界トップレベルに引き上げるとしている。

注目ポイント3:第二の香港、シンガポールに?

世界の自由貿易港の現況について、国際経済研究院の桑百川(サン・バイチュワン)院長は、「現在、世界には自由貿易港が130カ所以上、自由貿易港とその機能などが似ている自由経済区域が2000カ所以上ある。香港やドイツ・ハンブルクの自由貿易港、オランダ・ロッテルダム自由貿易港区、韓国釜山自由貿易港区などはどれも自由貿易港区だ」と説明する。

遅院長によると、海南島全体が自由貿易区から自由貿易港になるプロセスは、香港、シンガポールのスタイルに似ている。

そして、「香港、シンガポールと比べると、自由貿易港の建設にしても、海南の資源からスタートするにしても、後から大きな力を発揮すると私は思う。海南省は今後、自由貿易区から自由貿易港へと急速に発展するだろう」と予測する。

また、世界の自由貿易港のスタイルを参考にすることについて、桑院長は「海南における自由貿易港建設において、香港やシンガポールのスタイルだけを参考にすることはない。なぜなら、香港にしてもシンガポールにしても、土地の面積と地理的空間が小さく、海南とは異なる。海南の海岸線は長く、開発可能な海港資源も多い。そのため、ある国や地域のノウハウだけを参考にすることはなく、総合的に考慮し、中国の特色を発揮させ、海南の発展の位置づけにマッチさせ、その土地の事情に適した模索、建設を実施する」と説明した。

自由貿易港とは?

自由貿易試験区と比べると、中国において自由貿易港は歴史が浅い。自由貿易港は、中国共産党第19回全国代表大会(第19回党大会)の報告でも言及されており、「自由貿易試験区に、一層大きな改革自主権を賦与し、自由貿易港の建設を模索する」とされている。

昨年11月10日、人民日報が掲載した元中央政治局常務委員である国務院の汪洋(ワン・ヤン)副総理が署名した「全面的に開放する構造形成を推進」と題する記事は、自由貿易港について「ある国(地域)内に設置された、貨物、資金、人員の出入りが自由で、ほとんどの商品に関税が賦課されない特定の区域で、現在、世界で最も開放度の高い特殊な経済機能区。香港、シンガポール、ロッテルダム、ドバイなどが典型的な自由貿易港」と説明した。

遅院長によると、自由貿易港は世界で開放度が最も高い経済機能区で、その基本的な特徴は「境内関外(国内にあるが税関の外にある)」、つまり、ほとんどの商品に関税が賦課されない、または関税率が低い。肖副会長は、「実際には、自由貿易港は海港や空港を頼りに建設した非関税区。各国の貨物船が自由に停泊して、コンテナで貨物を上陸させ、それを積み下ろししたり、ピッキングしたり、中継したりでき、それに関税がかからず、通関手続きも必要ない。自由貿易港は国際貿易を展開するのに非常に有利で、特にサービス業や観光業にとってメリットが大きい。海南の発展を大きく促進することになるだろう」と語る。

世界の自由貿易港は、関税の面のほか、投資や金融分野の開放、貿易の自由化などの面でも特徴がある。(提供/人民網日本語版・編集/KN)