米科学ニュースサイト「EurekAlert!」はこのほど、「出生率低下と人口高齢化は中国の将来の繁栄を妨げないかもしれない」とする記事を掲載した。

中国・環球時報(電子版)がその内容を要約して伝えたところによると、中国における近年の出生率低下は、人口の減少と高齢化が同国の成長と将来の繁栄を脅かす可能性があるとの懸念を引き起こしている。だが米国科学アカデミー紀要で発表された新しい研究によると、中国の人口高齢化による悪影響は、人々の教育水準の上昇によって相殺される可能性がある。

研究者らは、年齢構成の影響に基づく単純な仮説は時代遅れだと指摘する。筆頭執筆者であるギヨーム・マロワ氏によると、研究では低出生率と高齢化によってもたらされる試練について評価するに当たり、中国における人口の年齢構成だけに焦点を合わせるのではなく、教育の大幅な拡大を考慮した。

高齢化が経済成長に与える影響を計算するために、人口統計学者は伝統的に、子どもと高齢者の数を15〜64歳の生産年齢人口の規模に関連付ける「年齢扶養比率」と呼ばれる指標を使用してきた。ただし、この比率は、労働力の参加が絶えず変化しているという事実を考慮していない。すべての労働者が等しく生産的であるとは限らないのである。

研究者らは、人口構造を多面的に分析することで、中国の将来の経済成長の見通しが最近の報道が示唆するよりも前向きであることを発見した。女性の教育水準が上昇するにつれて女性が労働力に加わる可能性が高くなることにも注目した。同研究の共同執筆者であるスチュアート・ギーテル・バステン氏によると、教育水準の低い高齢の集団を教育水準の高い若年の集団に置き換えることで、人口高齢化による悪影響の多くを相殺できる可能性がある。

中国では、労働者の総数が25年までに減少を始めるが、教育水準の高い人は増え続ける。人口統計学者のウォルフガング・ルッツ氏によると、高齢化は避けられないが、経済への悪影響は必然ではない。出生率を高めるだけでなく、現在と将来の世代が質の高い教育を受けられるようにすることが、高齢化に対処する鍵となる。(翻訳・編集/柳川)