新型コロナウイルスのデルタ株の流行が懸念される中、ソウル市内で全国民主労働組合総連盟(民主労総)の組合員らによる8000人規模の集会が行われ、物議を醸している。7月5日、韓国メディア・ハンギョレが報じた。

記事によると、民主労総は3日に全国労働者大会(集会)を開き、最低賃金の引き上げや特殊雇用労働者の労組結成権の保障などを要求。当初集会の場に予定されていたソウル市の汝矣島が警察のバスにより規制されたため、ソウル市鍾路3街に場所を変更し、「参加者間の距離を2メートル以上開ける」などの防疫規則を守らない状態で集会を続けたという。

これを受け文在寅(ムン・ジェイン)大統領は5日午後、「大規模集会などの防疫規則に違反する集団行為にも断固として法的措置を取らざるを得ない」と発言。「今は防疫に少しでも穴が開けば、急速に感染が広まる可能性のある非常事態」と説明した。文大統領は20年の光復節(8月15日)に開かれた極右団体と一部の教会による大規模集会に対しても、「防疫を妨げる一切の違法行為について、国民の安全保護と法治確立の面から厳しく処罰する」と発言している。

また警察も同日、集会の主催者ら6人を「集会およびデモに関する法律」と「感染症予防法」違反、一般交通妨害容疑などで立件した」と発表した。ソウル地方警察庁に52人規模の特別捜査本部を編成し、現場採証資料やYouTubeの映像分析などを通して、さらに12人の調査に着手しているという。

これに対し民主労総側は「新型コロナウイルスの感染拡大には民主労総も同様に懸念を抱いている」としつつも、「政府の対策には同意できない」と批判。「新型コロナウイルスの屋外での感染率は0.1%以下であるという専門家や研究者の見解に基づき、屋外でのスポーツ観戦や野外コンサートは可能になっているのに、集会だけは徹底的に阻止されている。同じ屋外イベントなのになぜ基準が違うのか」と反論しているという。

この記事を見た韓国のネットユーザーからは、「デモをするにしても状況を見て行うべき」「こんな時期に8000人の集会とは何事だ?。守るべきことは守ってほしい」「自分たちの要求を主張するだけの利己的な集団は、もうこの国に必要ない」「全員から罰金を徴収せよ」「防疫法に違反してるんだから、光復節のデモと同様に告発・処罰すべき」など、民主労総に対する批判の声が相次いでいる。

また、「反政府デモは徹底的に阻止するのに、民主労総には口だけで対応が甘いな」「放水砲を使ったり拘置所に入れたりしても、こんな時期だから国民も理解するはず。なぜそれができないのか」など、政府の対応の甘さを指摘する意見も見られた。(翻訳・編集/丸山)