2020年における韓国の合計特殊出生率が3年連続で減少し、最低値を更新した。8月25日、韓国・東亜日報が報じた。

記事によると25日、韓国統計庁は「2020年出生統計(確定値)」を発表。20年における韓国の出生児数は27万2300人で、前年に比べて3万300人(10%)減少し、初めて30万人を下回った。1人の女性が生涯に産む子どもの推定人数を示す合計特殊出生率も0.84人で、連統を開始した1970年以来、最低の数値だという。経済協力開発機構(OECD)加盟国の平均値は1.61人であり、「0台」の国は韓国のみだ。

合計特殊出生率を地域別に見ると、世宗市が1.28人で最も高く、ソウル市は0.64人で最も低かったとのこと。記事は「世宗市の出生率が高いのは20〜30代の若者の流入が多く、政府省庁があって雇用の安定性が高いため、保育条件が良い点が影響したものとみられる」と分析している。

また、母親の平均出産年齢は33.1歳で前年に比べ0.1歳上昇し、父親の平均年齢も35.8歳と0.1歳上昇した。母親の年齢別出生児数は、40代前半を除く全ての年齢層で前年に比べ減少しており、30代前半は1万2000人、20代後半は7000人減少したという。

ソウル大学保健大学院のチョ・ヨンテ教授は「ソウルや首都圏は人口密度が高く、雇用や家の購入をめぐる競争が激しい」とし、「競争が激しくなると自身の生存を優先させることになり、結婚や出産が後回しにされる」と分析している。また韓国開発研究院(KDI)のイ・テソク研究委員は、「人口が減少すれば内需市場も縮小し、社会全般が活力を失う『老いた国』になる」とし、「人口問題と密接する定年延長の問題や年金改革などについても議論を本格化しなければならない」と指摘している。

この記事を見た韓国のネットユーザーからは、「不動産価格を見れば子どもなんて産めるはずがない。子どもどころか結婚も無理」「物価や教育費も高いし、結婚するとしても結婚式を挙げるお金がない」「私は子どもが4人いるけど、未婚の人には『不幸になるから結婚なんてせず子どもも産むな』と言いたい」など、不満の声が相次いでいる。

また、「文文大統領のせいで(新生児が)10万人は減ったと思う」「本当にもどかしい現実。大統領のあの公約は一体どうなったんだ?」「韓国の70年をたった5年で台なしにしてくれた」「女性家族部はなぜ出生率について何も触れないんだ?」など、政府に対する批判の声も多く寄せられている。(翻訳・編集/丸山)