中国では、東京五輪大会での表彰式の際などに自国選手が着用するマスクが注目されることになった。そして多くの業者が赤と黄色が基調で中国国旗や五輪マークがあしらわれた、同様のデザインのマスクを販売することになった。「爆発的」な売れ行きという。ただし、いずれもパクリ商品でウイルスなどの感染を防ぐ機能はないという。

東京五輪に出場した中国代表団にマスクを提供したのは北京朋来製薬だ。しかし同社は7月末になり、五輪代表団に提供したマスクは一般向けには販売しておらず、ネット通販で出回っているのは「粗悪な偽商品」とする声明を発表した。ただし中国メディアの中国中央電視台(中国中央テレビ、CCTV)などによると、それ以降も北京朋来製薬の製品と称する「五輪マスク」がネット通販されていることが確認されたという。

CCTVはさらに、中国オリンピック委員会が公式サイトに、「国際オリンピック委員会(IOC)の許可を得ていなければ、いかなる団体も個人も、五輪マークを広告やその他の商業活動に使用してはならない」と明記していると紹介。現在販売されている中国の「五輪マスク」はすべて、ライセンスを侵害する商品と指摘した。

CCTVによると、8月7日時点では、ネット通販サイトには商品の写真の国旗や五輪マークの部分にモザイクを施して掲載されている「五輪マスク」もあった。販売業者に本物かと尋ねたところ「ほとんど同じ」といったあいまいな回答だったという。

中国でも日本などと同様に、マスクについては用途別の分類がある。CCTVによると、一部の業者が販売していたマスクには「一次性防護口罩(使い捨て防護マスク)」の証明が添えられていた。しかし、国が定めた分類規則によれば、「一次性防護口罩」の使用目的は大気汚染対策であり、ウイルスなど病原体からの防護を目的とするものではない。にもかかわらず販売業者はネット上では「コロナウイルス感染症の流行期に防護のために使えます」と説明していたという。(翻訳・編集/如月隼人)