2021年9月14日、韓国・時事ジャーナルは、韓国のある病院で「医師の代わりに准看護師が手術を執刀していた事実が明らかになった」とし、その実態を伝えた。

記事によると、仁川21世紀病院の院長を含む一部の医師が、特定の看護助務士(准看護師に相当)に対し巨額の年俸を支払い組織的に代理手術を執刀させてきた事実が明らかになった。

韓国において、医療人は医療法上、保健福祉部長官の免許を受けた医師と看護師のことをいう。医療人でなければ医療行為ができず、また医療人も取得免許以外の医療行為はできないことになっている。

手術室で処置ができるのは医師のみ、処置補助ができるのは看護師のみ。保健医療人に分類される看護助務士は手術室での処置補助ができず、これに違反した場合は「保健犯罪取締りに関する特別措置法」により無期または2年以上の懲役と100万〜1000万ウォン(約9万4000〜94万円)の罰金が科されるという。

今回、看護助務士らが執刀していたのは脊椎手術だった。医師が手術室に入る前にさまざまな手術器具を利用して手術部位を切開し、医師が目で病変を確認できるよう骨から筋肉を取り外して止血。その後、医師が手術室を出ると手術部位を縫合していたことも分かった。確認された事例のうち医師が手術室にいる時間は長くても約6分30秒に過ぎなかったという。

仁川警察は今月1日、同病院の院長ら医師3人を拘束し、医師2人を書類送検した。看護助務士らに代理手術をさせた疑い(保健犯罪取り締まりに関する特別措置法違反)と、医師らが手術したかのように書類を作成し患者から手術費を受け取り、国民健康保険公団から医療給与を受け取った疑い(詐欺)が持たれている。また、医師に代わって手術を執刀した看護助務士3人を拘束し、代理手術をほう助した疑いで看護師など6人も書類送検したという。

警察は看護助務士が今年2月16日から4月14日にかけて医師の代わりに患者10人を手術した動画を確保した。手術技法は同病院の院長から教育を受けたという。看護助務士のうち2人は、毎月750万ウォン(約70万円)相当の給与を受け取っていたことも明らかになった。2人は2006年の開院時に院長が迎え入れ、同年12月に看護助務士の資格を取得したという。

警察は医師や看護助務士が組織的かつ専門的に代理手術を行ったとみており、家宅捜索で確保した手術記録や手術台帳、診療内訳などを分析し、余罪について調べている。

なお韓国では手術室内部に防犯カメラの設置を義務付ける内容を含む医療法改正案が今年8月31日に国会本会議を通過した。23年以降、全身麻酔など患者の意識がない状態で手術を行う病院は、手術室内部に防犯カメラの設置が義務付けられ、患者の要請があれば撮影もしなければならないという。

これを受け、韓国のネット上では「信じられない」「もし手術で死んでも原因究明もできない。実験台になるようなもの。健康保険料がもったいない」「鳥肌モノ…。これが韓国の出来事だなんて恥ずかしい」とショックを禁じ得ないという声や、「患者をお金としか見ていない医者」「医者の資格なし」「だから医者は手術室の防犯カメラ設置に反対してたのか」など仰天や批判の声が相次いでいる。

また「もはや医者より准看護師の方が実力あるんじゃない?」「それなら誰でも手術できるように法改正したら?」という皮肉交じりのコメントも。

その他「手術室の防犯カメラ設置に反対してる(最大野党)国民の力は反省した方がいい」「野党はこれを見ても反対できるのか」「医療改革が急がれる」「それでも医師免許を剥奪しないのは国家の職務怠慢」などのコメントが寄せられている。(翻訳・編集/松村)