日本出身で米国籍の真鍋淑郎さんがノーベル物理学賞を受賞したことが、中国で注目を集めている。

中国メディアの海外網は「2021年のノーベル物理学賞が発表される、米独伊の3人の科学者が受賞」と題する記事で、真鍋さんについて「米プリンストン大学の気象学者で、1958年に東京大学を卒業した」と紹介。独マックスプランク気象学研究所のクラウス・ハッセルマン氏と合わせて「彼らは地球気候の物理的シミュレーション、定量化された変化率、地球温暖化の信頼できる予測に突出した貢献をした」と伝えた。

中国版ツイッター・微博(ウェイボー)では複数の著名ブロガーが「米国籍の日本人」がノーベル賞受賞と伝えている。また、あるブロガーは「なぜこれほど多くの日本人がノーベル賞を取れるのか?」として、2000年以降に受賞した20人の日本人(米国籍3人を含む)をリストアップ。「私たちの国で、一部の教授たちが考えているのはプロジェクトを通しての金もうけ。政府が支援する科学研究プロジェクトをたくさんやり、審査に通過したらそれでおしまい」と自国の一部学者の姿勢を批判した。

ネットユーザーからは「日本は確かにすごい!」「日本は強い。これまでに多くの科学系のノーベル賞を受賞している。アジア最強」「日本のすごいと思うところは、近年これだけ多くのノーベル賞受賞者を輩出していながら、日本のメディアでは学術の衰退や今後は中国に抜かれる可能性があるということが報じられていること」「今回の受賞者は米国籍ではあるが、日本は本当にすごいと思う。21世紀に入ってから1年に1人の受賞ペース」など、称賛の声が上がった。

また、「ノーベル賞を受賞した日本人教授たちはみんな、有名になる前から黙々と一つの領域を研究し続けてきた。多くの肩書もなく、プロジェクトに参加することもなく。中国の基準に照らせば、典型的な敗者になるだろうな」との意見も見られた。

中には「あと50年もすれば中国人受賞者も増えてくる。ノーベル賞受賞には時間の蓄積が必要」との声もあったが、これに対しては「科学の研究に必要なのはオープンな学術環境だ。自由なくしてイノベーションはない」との反論が寄せられた。また、「ノーベル賞を受賞する東京大学出身者は多いが、世界大学ランキングでは清華大学や北京大学の方が東京大学よりも上位。なぜ?」とのコメントにも、「思想の自由の問題」との返信が付いている。

このほかにも、「科学研究にも才能が必要で、才能(のある人)は自由を愛する。金や鉄拳は意味がなく、それらは逆に足を引っ張ることになる」「科学者には自由な雰囲気が必要。実験室に官僚主義や拝金主義の雰囲気が漂っているなら、成果が出るという方がおかしい」など、研究には「自由」が不可欠だとする声が多数上がっている。(翻訳・編集/北田)