2021年11月8日、中国メディアの観察者網は、日本の有力な学者が相次いで中国に流出している現状に関する日本メディアの報道を紹介する記事を掲載した。

記事は、日本の著名な光触媒研究の専門家である藤嶋昭東京理科大学元学長が上海理工大学に活動拠点を移し、同大学が藤嶋氏のために数十億円を投じて新たに研究所を設立する予定であること、2019年には日本の脳神経研究の専門家である御子柴克彦氏が上海科技大学免疫化学研究所の教授となり、土木工学の専門家である上田多聞・北海道大学名誉教授も深セン大学での活動を選択したことなど、日本の学術界の重鎮的人物が続々と中国に活動の場を移していると日本メディアが報じたことを伝えた。

そして、日本メディアが日本の貴重な学者の中国流出について、資金や経費不足などにより日本国内の学術研究環境が徐々に悪化していること、一方で中国の研究開発費用は2000年からの20年間でおよそ13倍にまで膨らみ、日本の研究経費の3倍にまで達していることを挙げ、「研究を続けたい」という学者の思いと、中国の優れた研究環境が大きな原動力になっているとの見解を示したことを紹介している。

また、今年ノーベル物理学賞を獲得した米国籍の真鍋淑郎氏が日本の科学研究の現状について「好奇心に駆られる研究が減り続けている」と語り、日本国内で安定した資金や職位が不足していることで、画期的な研究成果が生まれにくくなっていると指摘したほか、米国籍を取得した理由について「協調の中で生きていく能力がないので、日本に帰りたくない」「日本人では他人に迷惑をかけないよう協調を図るが、米国では他人がどう思うかをあまり気にする必要はない」と語ったことを伝えた。

さらに、真鍋氏が日本では科学者と政策決定者の間の意思疎通も不足しているとも指摘したことを紹介した。

記事は、日本のメディアが日本政府も学術界を取り巻く環境に危機感を抱いており、岸田文雄首相が就任前の8月に科学研究への資金投入を拡大し、国内の大学向けに10兆円の基金を設け、世界一流の研究型大学を作る意向を示したと伝える一方で、「日本が今後優秀な学者を呼び込めるか、世界的の魅力のある研究機関を作れるかは、今後の具体的な政策を見る必要がある」と評したことを伝えている。

この件について中国のネットユーザーからは「30年間成長しない中で科学技術分野の予算を増やせば、医療、教育、年金、国防、インフラ、中小企業支援、治安などさまざまな部分の予算が減ることになる。日本が復活するのは不可能」「年功序列で上昇の余地がない日本に流れるのは二流、三流の人間。一流の人間は米国でチャレンジし、そこで天井にぶつかったら中国に戻ってくる」「この世代の日本人研究者はかねてより日本の学生に失望し、中国人学生を弟子として育成に力を入れてきた。その弟子たちが先生を中国に呼び寄せようとしているのだろう」といったコメントが寄せられた。(翻訳・編集/川尻)