新型コロナ感染症をめぐる中国と韓国の政策が大きく分かれている。中国は1人の感染者も見逃さず隔離する「ゼロコロナ」を堅持。国内で感染者発生の際には厳格な対応を取っている。これに対し、韓国は社会・経済活動との両立を目指し、コロナとの「共存」にかじを切った。

中国は現在、1人でも感染者が現れれば近隣地域をすべて閉鎖する厳重な防疫政策を行っている。ロイター通信などによると、10月31日には世界最大の上海ディズニーランドで入場者3万人余りを閉じ込めたまま新型コロナ検査を実施した。

感染者1人がディズニーランドに立ち寄ったことが確認されたためで、保健当局がテーマパーク全体を閉鎖して検査に踏み切った。現場にいた客のほか、前日ここに立ち寄った人々まで合計6万6000人が検査を受けた。

来年2月の冬季五輪開催を控えた首都北京では厳戒態勢が続く。米ブルームバーグ通信によると、感染した学校職員1人がワクチン接種に臨んだことが判明し、同じ会場に居合わせた他の職員が勤める小学校すべてを閉鎖した。児童たちは下校を認められず、あまりの寒さに保護者が毛布を届ける一幕もあったという。

「ゼロコロナ」政策についてはSNSを中心に疑問の声も上がっているが、共産党機関紙・人民日報系の環球時報は4日、胡錫進編集長名の記事を掲載。「ゼロコロナを廃止すれば大きな代償が伴う」と警告した。

韓国では1日から新型コロナの防疫措置を緩和して社会・経済活動と並行する「ウィズコロナ」に踏み切った。規制緩和はワクチン接種完了率が人口の75%を超えたことから導入。第1段階は1カ月間の実施予定で、来年1月までに全規制を撤廃する計画だ。

一方でワクチン未接種の人がいることや接種者の抗体減少、年末に人が集まることなどのリスク要因による新たな感染者増加の可能性はなお残っていると指摘。マスク着用や定期的な室内の換気などは引き続き呼び掛けている。

聯合ニュースなどによると、第1段階としては飲食店やカフェなど全国の商業施設の営業制限を撤廃。私的な集まりの制限もソウル首都圏で最大10人、非首都圏で最大12人まで可能となった。規制解除が進む中、秋の行楽シーズンも重なって人の移動が急増している。

韓国の中央防疫対策本部は11日、この日午前0時現在の国内の新型コロナウイルス感染者数は前日午前0時の時点から2520人増えたと発表した。1日当たりの新規感染者数は前日(2425人)から95人増え、2日連続で2000人台半ばとなった。「ウィズコロナ」に移行したことに伴う行動制限緩和の影響で感染者は増加傾向にある。(編集/日向)