華為科技(ファーウェイ)は20日に実施した「端末ビジネス用オフィス事務新製品発表会」で、同社の3大事業部門の一つだった「コンシューマー事業」の「端末事業」への改称を発表した。ファーウェイと言えば、2019年以前の「スマートフォン売上台数“爆増”」のイメージが強烈だが、同社はすでに事業体制の「脱皮」を究極的に進めている。

同社説明によれば、端末事業の事業の分野では行政・教育、金融、エネルギー、製造、交通、医療の6分野に焦点を絞り、個別の顧客の状況や要望に合わせたソリューションを提供していく。

中国のIT製品メーカーは、パソコンやスマートフォンなど個人消費者向け製品で実績を積み重ねてきた。そして、消費者向け製品の開発によって性能や品質、イノベーション能力を練り上げてきた。一方で、現在は中国をはじめとする世界各国で各種業務のスマート化の要求が急激に高まっている。IT製品メーカーや関連企業にとっては、消費者向け製品で構築してきた体力や体質を活用した業務用製品やソリューションの提供が、大きなチャンスになる。

ファーウェイは現在、政府、金融、教育、電力など用のPC、タブレット、スマートスクリーン、ウェアラブルデバイスおよび20種以上のシナリオを策定したソリューションを提案している。ファーウェイが提案するデジタル変革は、業界や企業の旧態依然とした問題を解決し、業務の効率化だけでなく、生産の安全性を大きく向上させる効果がある。

中でも典型的な分野は、炭鉱などエネルギー産業向けのソリューションとされる。例えば鉱業分野のスマート化を手掛ける北斗天地と提携して、炭鉱企業の山東能源集団のために、坑内で働く労働者向けのスマートウエアラブルデバイスと運用システムを開発した。労働者の位置情報や心拍数など健康状態を監視することで、問題があれば現場に直ちに警告を送り、必要があれば該当する鉱区全体に警報灯によって危険を知らせることもできるという。

それ以外にも、送電ネットワークでもファーウェイの製品やソリューションを導入するケースが出ている。事業規模が大きな国家電網公司では、例えば会議のペーパーレス化の推進だけでも、用紙約800万枚を使う必要がなくなり、事務費の節減と仕事の質の向上がもたらされた。

企業など事業体はかつて、端末製品の導入時に、CPUの性能やメモリーなど、ハードウェアの数値を重視していた。しかし現在では、安定性や故障率、使いやすさなどをより意識するようになったという。ファーウェイは自社製品の「3大DNA」として掲げる品質・スマート・信頼性を生かして、顧客の要望に対応していく考えだ。

ファーウェイの製品やソリューションの鍵の一つは、自社開発のハーモニーOSで、全て機器やシステムを効率よくつなげることを通して、「その企業ごと」の提案をしていくという。ファーウェイの常務取締役で、端末事業の最高経営責任者(CEO)である余承東氏は、同社の端末事業について「長期的かつ戦略に投資し、政府および企業のデジタル化グレードアップを促進する、新たなソリューションとアイデアを提供し続ける。デジタル化の進展とデジタル中国の建設に貢献していく」と述べた。(翻訳・編集/如月隼人)