仏メディアのRFIによると、中国の魏鳳和国防相は10日に米国のオースティン国防長官と対談した際に、「台湾を中国から分裂させようとする者がいれば、中国軍は一戦を辞さない」と発言した。

魏国防相とオースティン長官は、アジア安全保障会議(シャングリラ会合)に出席するためにシンガポールを訪れたことを機会として、個別の対談を行った。シャングリラ会合とはアジア太平洋地域の安全保障についての課題を議論するために、アジアや欧米諸国の防衛担当の閣僚や専門家が出席する会議。2002年からシンガポールのシャングリラホテルで毎年開催されてきたが、2021年と22年は新型コロナウイルス感染症のために中止され、今年は3年ぶりの開催。

中国国防部(国防省)の呉謙報道官が、魏国防相とオースティン長官の対談後の記者会見で、魏国防相が「台湾を中国から分裂させようとする者がいれば、中国軍は一戦を辞さない。いかなる代償も惜しまない。いかなる『台湾独立』の分裂も断固として粉砕し、国家の主権と領土の完全性を断固として守る」と、オースティン長官に警告したと説明した。

ただし、中国国防部が公式サイトに掲載した対談の説明文では、魏国防相の発言を「台湾を利用して中国を抑制することはできない」、「米国の台湾への武器売却に反対する」、「台湾独立の企てを断固粉砕する」と紹介し「一戦を辞さない」の文言は掲載されなかった。

また魏国防相は対話の状況を尋ねたメディアに対して「非常に率直だった。うまくいった」と述べた。

オースティン長官は魏国防相に対して「台湾の安定を損なう、これまで以上の行動を避けるように」と、一方的な現状変更をせぬよう警告したという。オースティン長官はさらに、米国はこれまでの米中外交文書で確認された「一つの中国」政策を変更しないと表明した。

双方は、北朝鮮問題やロシアのウクライナ侵攻など、世界および地域の安全保障問題についても協議した。双方は、米中が責任をもって競争をコントロールしつつ意思疎通のパイプの円滑な機能を維持する必要性についても論じたという。

中華民国国防部(台湾国防省)の欧江安報道官は米中国防担当閣僚対話について、米国政府が再び具体的な行動で台湾海峡の平和と安定を支持したことに感謝を表明し、「中華民国台湾は主権独立国家だ」と強調した上で、「一戦を辞さない」などとした中国側の関連表現を「不条理な言い方」と評した。(翻訳・編集/如月隼人)