中国のSNS系投稿サイトの微信公衆平台は11日、日本は10日に訪日外国人客の受け入れを再開したが、日本政府などが期待する経済効果が発生するかどうかは疑問と論じる記事を掲載した。日本政府の動きとしては、松野博一官房長官は9日の記者会見で、インバウンド(外国人観光客)の受け入れについて、「地域経済の活性化につながるのを期待する」「現時点で定量的に言えないが、訪日旅行の予約が順調との海外報道もある」などと表明していた。

■日本側の事情は「感染再拡大はないだろう」「とにかく経済をなんとか」

記事はまず、「日本は6月10日、2年2カ月ぶりに外国からのインバウンド旅行を正式に再開した。中国を含む感染リスクの低い98の国と地域からの訪日ツアーは、入国検査および隔離が免除された」と紹介。

記事はさらに、インバウンド再開の背景として、4月末から5月初頭の大型連休が過ぎても、感染者数の再上昇がなかったことを挙げ、人々や商業関係者は感染の再拡大を心配しなくなったと紹介した。また、日本経済の状態については、GDPの伸びはやや好転し、消費者物価指数(CPI)も上昇してはいるものの、消費の回復による経済回復の持続については疑問視する見方があると指摘した。

インバウンドへの期待が高まっている理由については、大幅な円安や日本国内の物価水準が低い状態に留まっていることを挙げた。

■中国は国外への団体旅行を認めず

記事は一方で、外国人客は日本観光に尻込みするかもしれないと論じた。まず日本滞在時の発症に備えるために、来日する観光客に民間の医療保険加入が義務付けられたと紹介。さらに、個人旅行は認められておらず、全行程をガイドが添乗する団体旅行だけが認められ、旅行会社側は政策に基づいて混雑する地域を避けて旅行ルートを設定することや、客側はマスク着用を求められるなど、極めて制約の多い観光になると論じた。また、国際線は運航便が少なく、料金が高い状態が続いていることにも触れた。

また、中国は観光旅行団の出国を停止している。出入国などを管理する行政組織である国家移民管理局辺防検査管理司の劉海濤司長は5月23日の時点で、国外からの新型コロナウイルス感染症の流入は中国にとってなおも深刻な状況と述べた上で、国外への団体旅行を停止しているだけでなく、海外への個人の観光旅行や知人や友人に会うための出国も奨励しないと述べた。

新型コロナウイルス感染症の流行前の2019年時点で、日本を訪れた外国人観光客の中で、国や地域別で最も多かったのが中国人だった。しかし現状では、日本側は中国人の個人観光旅行を認めておらず、中国側は日本への団体旅行を認めていない構図だ。

微信公衆平台記事は、日本に多くの外国人観光客がやって来ることは、短期的にはないだろうとの見方を示した。(翻訳・編集/如月隼人)