2020年7月20日、日本政府観光局が発表した6月の訪⽇外国人客は、新型コロナの影響前の2019年6月比 95.8%減の12万400人にとどまった。ただ水際規制の緩和に伴い、3カ月連続で 10 万人を上回った。

国・地域別ではベトナムの2万2900人がトップ。以下中国1万4700人、韓国1万1200人の順。

⽇本政府は、2022年3月から観光目的以外の新規⼊国が⼀定条件下で再開し、6月1日に入国枠を1万人から2万人に拡大。同月10日からは感染拡大のリスクが比較的低い米国や中国など98の国や地域から添乗員同行の団体ツアーに限定して訪日客の受け入れを再開した。さらに6月10日、新型コロナウイルスの影響で一時停止した外国人観光客の受け入れを約2年ぶりに解禁した。ただ、多くの旅行会社で対応や準備に遅れが出ており、コロナ禍前の水準に回復するには時間がかかりそうだ。

海外では水際の検査そのものを撤廃する動きが目立つ。米国は6月12日、出国1日前に求めていた検査を完全に取りやめた。イタリアも同月1日から陰性証明書の提出を不要とした。欧州などでも多くの国がすでに入国前後の検査をすべて不要にしている。中国政府は6月28日、入国時の隔離期間の短縮など緩和策を発表した。

同時に発表された今年上半期(1〜6月)の訪日客数は50万7600人で2019年上半期比96%減だった。

日本政府観光局によると、コロナ禍前の2019年の訪日客数は3188万人で、消費総額は4兆8135億円に上った。新型コロナの感染拡大により、2021年には25万人にとどまり、消費総額も1208億円と大幅に減少した。入国が増えれば円安も追い風になり経済活性化につながるとの期待も大きい。

「コロナ」以前に、インバウンド消費の多くを占めたのが中国人観光客。「ゼロコロナ策」を貫く中国は帰国後の水際対策が厳しく、当面急激な回復が見込みにくいが、中国人の日本観光への志向は強く、打撃を受けてきた国内の観光産業の期待は高まる。

日本政府観光局は「世界各国の感染状況や出⼊国規制の変化、ウクライナ情勢による航空便への影響等を注視しつつ、インバウンドの本格的な再開に備えて地域の受⼊環境整備とともに、きめ細かなプロモーションなどに努めていきたい」と指摘している。(八牧浩行)