2022年9月19日、極目新聞は上海市の黄浦江でワニが見つかったことについて生態系の破壊を危惧する文章を掲載した。以下はその概要。

上海市徐匯区浜江区域の黄浦江の岸辺で16日、体長約80センチのワニが日光浴をしているのが見つかり、当局が捕獲に乗りだしたという報道があった。ネットユーザーが撮影した映像には、尻尾を振りながらノソノソと動き、あくびをするような口の動きを見せるワニの様子が写っており、その様子に「萌え」を感じた人もいたようだ。しかし、黄浦江にワニが出現するというのは決して「萌え」な出来事ではない。

黄浦江、すわなち長江にはもともとヨウスコウアリゲーターという希少動物が生息している。今や野生の個体は約1000頭のみと絶滅危惧状態にあるため、国の一級重点保護野生生物に指定されている。6月には安徽省でヨウスコウアリゲーター370頭の放流が行われ、その生存状況がモニタリングされている。また、上海市の崇明区にある東灘湿地公園には20頭余りが生息しているが、生存に適した自然生息地が破壊され減少してしまったため、湿地内の固定水域でしか生きていけない状態だ。

それゆえ、黄浦江にワニが出現したと言うと「生態環境が改善された」と考える人がいるかもしれないが、喜ぶのはまだ早い。なぜなら、見つかったワニがヨウスコウアリゲーターよりも、人工飼育していて逃げ出した、あるいは飼えなくなって捨てられたシャムワニ、ナイルワニである可能性のほうが高いからだ。身勝手な飼育放棄や放流は、公共の安全確保、生態系のバランスのいずれにとっても極めて大きな悪影響を及ぼす。

今年5月、四川省で大雨が降った際に、村の民家で飼育していたシャムワニ6頭が行方不明となるトラブルがあった。その後ワニはすべて見つかり殺処分されるとともに、飼育者は社会にネガティブな影響を与えたとして警察当局から取り調べを受けた。

ルールを守って飼育すること自体は合法なワニでも、自由自在に黄浦江に出現すれば大きなリスクが生じる。そしてその背後には、ルールに反した飼育、販売、廃棄や放流といった負のチェーンが存在する。見た目がかわいかったとしても、住民の日常生活や生産活動、さらには生態系に脅威や危害をもたらしうる。こういったワニを捕まえ、根源を追い求めて適切に処理し、リスクを消除することが焦眉の急となっている。(翻訳・編集/川尻)