独ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは8日、中国の超富裕層について「経済成長鈍化で資産が激減」とする記事を掲載した。

ロイター通信の報道として伝えたもので、それによると、ロシア・ウクライナ戦争や新型コロナウイルスを徹底的に抑え込む中国の「ゼロコロナ」政策、中国本土と香港の株式市場の下落などの多重の要因により、中国の超富裕層の総資産額は過去20年余りで最大の減少を記録した。

中国の民間シンクタンク、胡潤研究院が8日公表した中国富豪ランキング「胡潤百富榜」2022年版の対象人数は1305人で、前年から11%減った。対象となるのは保有資産が50億元(約1000億円)以上の富裕層。総資産額は前年比18%減の24兆5000億元(約491兆1100億円)に目減りした。

胡潤研究院会長のルパート・フージワース氏は「今年はランキングの過去24年で(総資産額の)落ち込みが最も大きい1年だった」と指摘した。

中国電子商取引(EC)大手の阿里巴巴(アリババ)やインターネットサービス大手の騰訊(テンセント)などのテック企業を襲った過去2年間の中国当局による監督管理強化と習近平(シー・ジンピン)体制3期目により、中国が経済成長を犠牲にし、イデオロギーに対する監督管理を強化することへの懸念が、投資家の信頼に影響を及ぼしている。香港と本土の株式市場はここ数週間で急落した。

今年掲載された富豪で最大の落ち込みとなったのは、不動産デベロッパー大手、碧桂園の楊恵妍(ヤン・フイイエン)氏(41)で、資産額は1100億元(約2兆2000億円)減少した。テンセントの馬化騰(ポニー・マー)氏(51)の資産減少額は1020億元(約2兆円)でこれに次いだ。

ランキング1位は、ワクチン開発の北京万泰生物とミネラルウォーター最大手の農夫山泉を所有する鍾睒睒(ジョン・シャンシャン)氏で2年連続。資産額は17%増えて4550億元(約9兆1100億円)になった。

2位は、動画投稿アプリTikTokを運営する北京字節跳動科技(バイトダンス)の張一鳴(ジャン・イーミン)氏。こちらも2年連続。資産額は28%減の2450億元(約4兆9100億円)に目減りした。(翻訳・編集/柳川)