2022年12月1日、中国のスポーツ評論家・キャスターの黄健翔(ホアン・ジエンシアン)氏が中国版ツイッター・微博に「VAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)がサッカーを壊した」と書き込んだことで、物議を醸した。

黄氏は現地時間1日午後5時過ぎに「VARがサッカーを壊した。ちょうど特撮が映画を壊したように。今回のワールドカップ(W杯)チャンピオンは、半自動オフサイド判定システムを含むVARだ。カタールW杯ではどの分野においても権力が過度に集中し、なおかつ誰の監督も受けていないことは明らかであり、それは災難であるとともに、腐敗や黒幕の温床になっている。思うことがある人は、この10分のうちに行動すべきだ。いつの日か自分のひいきのチームが被害を受けた時になって私の今日の書き込みを思い出すのでは遅い。いや、思い知るのにそんな時間はかからないかもしれない。今大会中に、私のような反対者が存在する価値を知ることになるだろう」と書き込んだ。

また、次の書き込みでは「血の通った生身の人間がミスをするのは受け入れられる。しかし、ハイテクで武装し、絶対に公平という看板を掲げておきながらミスを犯すのは受けれられない。決定の背後には必ず責任者がおり、責任を機器になすりつけてはいけない。ハイテクを採用した今大会において、グループリーグ第3節がまだ終わっていない段階で重大な誤審の数がすでに前回を上回った。この状況を、VAR支持者はどう考えているのか」としている。

中国メディア・九派新聞によれば、黄氏は日本時間11月29日に行われたブラジル―スイス戦で、ブラジルのビニシウスが放ったシュートが相手ゴールネットを揺らしブラジルが先制したかと思われた直後にVARがオフサイドと判定、ゴールが無効になったシーンにも不満を抱いていた。不満の理由はVARの判定自体よりも、判定の根拠となったリプレイの映像や画像が国際映像ですぐに表示されないことにあるようだ。

黄氏の不満について、中国のネットユーザーは「VARは、観衆を黙らせるためだけに存在する」「VARは審判が試合をコントロールするための道具。審判を縛り、監督する役割を果たしているわけではない」「どんな物事にも良い面と悪い面はある。絶対的に優れたものもなければ、絶対的に悪いものもないのだ」「いやむしろ、『神の手』こそサッカーをダメにしただろう」「VARが多くのファウルを防いだことは否定できないと思う」「VARは止めるべき。誤審や見逃しもサッカーの一部だ」「テニスに学んでVARのチャンスを双方のプレイヤーに与えたらどうだろうか」など、さまざまな立場のコメントを残している。

また「黄さんは、自分のひいきチームが『被害』を受けたからそんなことを言っているのだろう」とツッコミを入れるユーザーも見られた。

なお、黄氏はVAR判定で日本の決勝ゴールが認められた同12月2日の日本―スペイン戦終了後、「今後日本のサッカー界がどんなに大言壮語を発しても、われわれは素直に聞き入れなければならない。二度と『痴人の夢』だとあざ笑うことはできない」との感想を残している。(翻訳・編集/川尻)