2017年8月1日、韓国・聯合ニュースによると、ソウル市の城東(ソンドン)区が観光客を呼び込もうと区内に造成した「旅行者通り」が、典型的な「展示行政」の産物ではないかとの批判を浴びている。

区は昨年、公費3億ウォン(約2940万円)を投じ、往十里(ワンシムニ)駅近くの通り2区間360メートルを「旅行者通り」として整備した。入り口にはアーチ形の華やかなゲートや「旅行者通り」を示す表示板が作られ、路面はすっきりと再舗装、区は「観光客により多様な思い出と感動を与える旅行の中心地になるだろう」と大々的に宣伝も行っていた。

しかし完成から半年余り、通りは以前と何ら変わらず「モーテル密集地帯」のままだという。辺りはもともと宿泊施設が並ぶ地域で、現在も20余りの施設が営業している。モーテルが多い中で「ホテル」の看板を掲げた施設もあるものの、ほとんどは宿泊のほか「休憩」利用を受け入れる施設だ。

季節は本格的な夏の旅行シーズンだが、旅行者らしき人は見当たらない。地域住民が行き交う中で、宿泊施設を利用するカップルが目に付くだけだという。

この状況に、根本的なコンテンツ強化や改善を行わないまま安易に看板などの設置を行っただけという区の手法を問題視する声が上がっている。

区は総事業費の半分近くを、銅像1体、写真撮影のための「フォトゾーン」3カ所、案内表示板などの作成に費やした。しかし、銅像のモチーフとなった朝鮮時代の地理学者・金正浩(キム・ジョンホ)は、かつてこの辺りを通ったことを除いては、この地と特にゆかりがない。また、写真の背景とすべくフォトゾーンに置かれた「アートウォール」の1つは、モーテルの壁の前に設置されている。これには地域住民も「誰がこんなモーテル密集地域で写真を撮るの?」とけげんな反応だ。

区は通りの整備の効果についてこれまで検証をしておらず、同地の訪問客や宿泊客の統計調査なども今後行う予定はないとしている。

この報道には、城東区民というネットユーザーから「通りの存在すら知らなかった。旅行者が行く所じゃない」との声や、「モーテル通りに名前を変えるべき」「不倫通りに変えろ」「モーテル探訪地というのもいいね」と名称変更を提案するコメント、「夜市でも作ればよかったのに」「もう公務員に企画というものはさせないでくれ」といった指摘が寄せられている。(翻訳・編集/吉金)