2017年7月29日、実話を基に韓国の従軍慰安婦を描いたとされる映画「鬼郷」に関し、「ここまで慰安婦の話を歪曲(わいきょく)した映画も珍しい」と発言した韓国の歴史家シム・ヨンファン氏が、バッシングを受けて謝罪した。韓国・マネートゥデイなどが伝えた。

シム氏は28日、自身のフェイスブックに掲載した韓国映画「軍艦島」の評論で、「数年前に数百万人の人が見た映画『鬼郷』ほど、駄作で慰安婦の話を歪曲した映画も珍しい」と「鬼郷」を批判した。また、「強制動員の現実は『軍艦島』の方がはるかに正確」とし、「軍人が村に来て家族関係がいい家の娘を連れて行った?そんな証言録を見たことがありますか?」と、「鬼郷」で描かれた内容に疑問を提起、「私はこれまで数年間慰安婦の関連資料を見てきたが、『鬼郷』の半分以上は慰安婦問題を歪曲することだらけだった」とつづった。

これに対し、元慰安婦が共同生活を行う施設「ナヌムの家」は、「映画『鬼郷』は日本軍性奴隷被害者のおばあさんたちの証言と実証資料を通じて制作されたものだ」と反論、「(シム氏の発言は)歴史を否定する悪意ある発言で、反歴史的、反人権的な詭弁(きべん)」「被害者の名誉を毀損(きそん)するもの」とする報道資料を出し、シム氏に対して公開謝罪を要求した。

また、シム氏の発言は韓国のネット上でも話題を呼び、「歴史家じゃなくて歴史作家でしょ?」「『軍艦島』広報からいくらもらったんだ?」「こんな人が歴史講師をしてるなんて、彼の講義で学ぶ学生がかわいそう」など非難の声が相次ぎ、結局シム氏は29日、フェイスブックで「慰安婦のおばあさんに謝罪申し上げます。理由のいかんを問わず、おばあさんたちが傷付いたのだとしたらすべて私の過ちです。誠に申し訳ない」と謝罪を表明した。

謝罪後もネットユーザーの間ではさまざまな議論が起こっており、「鬼郷」について、「確かに評論家や観客から駄作と言われたけど、慰安婦という素材を表に引き出したこと自体に意味がある。それに、どんなに資料を見ても実際の経験談より正確さで勝るものはない」との指摘も。

さらに、「僕らは植民地時代を生きていないから、人が作ったものを見たり聞いたりするしかない。実際に目にして経験したわけじゃないなら、『正しい』とか『間違い』とか主張するのはやめよう」「謝罪してももう遅い」「結局傷つくのは被害者だ」など、元慰安婦らを気遣う声も上がった。(翻訳・編集/松村)