2017年8月10日、韓国・ニュース1などによると、かねてより美声の持ち主として知られた韓国の元慰安婦の女性が、自身の名を冠した「吉元玉(キル・ウォノク)の平和」というアルバムで歌手デビューする。

吉さんは10日、ソウル市内にある「戦争と女性の人権博物館」でアルバム制作発表会を開き、15の収録曲の中から「恨(ハン)多き大同江」など数曲を生で披露、「他人が嫌がろうが歌うのは(自分の)職業のようなもの」と語った。幼い頃からの歌手になりたいという夢を、数え年90にしてかなえたのだ。

アルバム制作は、元慰安婦らの支援活動を行う韓国挺身隊問題対策協議会などの助力により昨年9月から進めてきたという。発表会に出席した挺対協の尹美香(ユン・ミヒャン)常任代表は「韓国社会では、個人、とりわけ女性としてつらい過去を持つ個人が歌が上手だったり踊りが美しかったりすると、偏見を持って見られた時代があるため、吉さんは当初その歌唱力を隠していた」と、アルバム制作に至る裏話を紹介した。そうした中、「慰安婦にされなければ普通の女性のようにためらいなく歌い踊れたであろう『人間・吉元玉』」の実現を支援することが「真の解放」だと考えたという。

この報道を受け、韓国のネットユーザーからは「おめでとうございます」「応援してます」「とても誇らしい」「今からでもやりたいことを何でもやってください」など、吉さんへの声援が多数寄せられ、中には「最高齢の新人歌手だね」「もっと早くデビューしてもよかったのに」「近いうちに音楽番組で見たいな」といったコメントもあった。

吉さんは今月14日の「世界慰安婦の日」に、ソウル市内のステージに立ち正式に歌手デビュー予定。ただアルバムは著作権の問題があり市販は行われないという。(翻訳・編集/吉金)