2017年7月24日、韓国・中央日報によると、中国の北京首都国際空港で韓国人団体観光客が4回もの荷物検査を受けていたことが分かり、韓国内で「高高度防衛ミサイル(THAAD)配備への報復措置の一環ではないか」と疑う声が出ている。

ロシアのモスクワから韓国の仁川に向かっていたAさんら韓国人観光客20人は、経由地の北京首都国際空港で荷物検査を受けた際、「X線検索台が故障した」との理由で別の部屋に案内された。隔離された空間で全ての荷物を開け、細かい検査を受けたという。

さらに、Aさんらが部屋を出ようとすると、別の職員が入ってきて何の説明もなく再び荷物を見せるよう求めた。職員はお土産の高級ワインを取り上げ、「1カ月後に返却する」と伝えたという。その後も同様のことが繰り返され、Aさんらは全部で4回の荷物検査を受けさせられたという。

Aさんは「1時間ほど検査が続き、不安だった。他の部屋へ移動する時も厳しく監視され、犯罪者扱いされている気分だった」とし、「これがうわさに聞いていた(THAAD)報復なのだと感じた」と述べた。

昨年7月に米国と韓国がTHAADの韓国配備を決めた後、中国はさまざまな分野で「報復措置」を取っている。Aさんらの経験がTHAAD配備への報復措置の一環であるかどうかは分かっていないが、外交部当局者は「常に関連の情報に注目している」と明らかにした。

これについて、ある旅行会社関係者は「中国はもともと荷物検査に厳しい国だが、さすがに4回はひど過ぎる」と批判している。

ロッテマートの営業停止やビザ取得のハードル引き上げなど、中国によるTHAAD配備に韓国政府が抗議するたびに、中国側は「中国当局が実行したのではなく、THAAD配備に反対する中国国民の情緒が現れたもの」と一蹴してきた。

実際にどこまでが報復措置の一環であるか判断するのは難しいが、韓国では中国関連で被害を受けると、全てを「THAADへの報復」と見ることが当たり前になっているという。

専門家らは「中国政府が韓国とのTHAAD問題を政治的に解決することは可能だが、韓国国民に残した心の傷を元に戻すことは難しい」と指摘している。

国立外交院のキム・ハングォン教授は「中国の過度な制裁と韓国国民の中国に対する疑心や被害意識が続くのは深刻な問題」とし、「情緒的な反感を回復させるには時間がかかるため、両国がTHAADでの対立と社会・経済分野は別だという方針を両国国民にはっきりと示す必要がある」と主張した。

この報道に、韓国のネットユーザーからは「中国は卑怯だ」「韓国を下に見ているとしか思えない」など批判的な声や、「まだ中国旅行に行く人がいたなんて。プライドはないの?」「韓国も中国人観光客に対する荷物検査を強化しよう。やられっ放しは悔しい」などと主張する声が寄せられている。

また、「THAADはそんなに攻撃的な武器なの?中国にとっては核兵器より恐ろしい?」と疑問を示す声も。

そのほか、「韓国政府は注視すること以外何もできない。抗議という言葉は知らないの?」「朴槿恵(パク・クネ前大統領)のせいで国民はいまだにつらい思いをしている」など韓国政府に対する批判的な声もみられた。

一方で「禁止されている物を持っていたのでは?僕が最近北京に行った時は何の問題もなかった」「韓国の空港でも同じような検査が行われているよ」と指摘する声もあった。(翻訳・編集/堂本)