2017年7月25日、米安全保障関係者によると、米トランプ政権は、北朝鮮問題への軍事的行動に当面踏み切らず、中国に対し、石油の輸出差し止めを含む強力な制裁措置に踏み切るよう要求する方針。対中貿易関係をけん制材料とする。

北朝鮮が6回目の核実験や大陸間弾道弾(ICBM)発射を行った場合、東アジア全域で米軍配備を強化する方針という。

ダンフォード米統合参謀本部議長が近く訪中し、中国の外交安全保障トップと北京で事前交渉する。11月上旬にベトナム・ダナン市で、11月上旬にAPEC(アジア太平洋経済協力会議)首脳会議が開かれ、この会議を機にトランプ大統領が北京を訪問する予定。米中両国はこれら一連の米中会談で米中協力を推進し関係強化につなげたい考えだ。

中国としても、幹部人事が決定される秋の共産党大会後の11月なら対米協調へ柔軟に動くことができると見られている。

米国防省は、米国の攻撃に対する北朝鮮の報復によって韓国市民多数が殺傷されるだけでなく、ソウル周辺に在住する米国人約3万人と駐在米軍約2万9000人の多くが犠牲になると予測。北朝鮮に対する軍事攻撃は困難と判断している。ミサイル発射実験を繰り返す北朝鮮について米国世論は「死活的かつ緊急的脅威と見ていない」という。化学兵器使用によって多数の一般市民が死傷したことを受けたシリア爆撃時(4月)のような、人道的な事態が発生しているわけでもない。多くの米国市民の安全保障上の懸念は、主として、過激派テロや宗教的な過激集団に向けられている。

このため、米政権による北朝鮮に対する軍事攻撃は困難な情勢となっている。米国は対北朝鮮ミサイル防衛計画を推進。そのための国防予算を増やすと同時に、これを同盟国の日本、韓国に負担させることも検討している。(八牧浩行)