2017年8月2日、東京大の教授が捏造(ねつぞう)したデータを基に論文を作成していた問題について韓国・ハンギョレ新聞などが報じ、韓国でも注目を集めている。

東大は1日、分子細胞生物学研究所の渡辺嘉典教授が2005年から15年までに発表した論文のうち5本について、データを捏造してグラフを作成する、写真の色を操作するなど16の不正があったとする調査報告書を発表した。

調査報告書によると、渡辺教授が10年に米国の科学雑誌「サイエンス」に発表した論文で、実験を行わず、捏造した数値を基にグラフを作成した事実が確認されたという。また11年に英国の科学雑誌「ネイチャー」に掲載された論文と、15年に「サイエンス」に掲載された論文では、細胞の写真の色を調整する操作を行っていた。

不正には渡辺教授と研究室に所属していた助教(当時)が行っていたとされ、渡辺教授の研究室では不適切な写真加工などが常時行われていたとみられている。

東大は05年、渡辺教授を含む一部教授の論文に不自然な点があるとする匿名の投書を受け調査を行ってきた。調査結果を受け、大学側は不正行為が明らかになった研究に投じられた公的な研究費14億8000万円の返還を検討している。

この報道を受け、韓国のネットユーザーからは「日本人は論文だけじゃなくて、歴史も書き換える」「日本の捏造はいつものこと」「捏造は日本の得意技だ」など、捏造という言葉でつながったのか、歴史問題と絡めて日本への批判的意見が多く寄せられた。

また、「学界で論文盗用がどんなに大きな罪なのか分かっていないのだろうか?」との渡辺教授への批判の声や、ソウル大獣医科の元教授で、一時は「韓国の誇り」と呼ばれながらも「ヒトの胚性幹細胞(ES細胞)」の論文で不正が明らかになった黄禹錫(ファン・ウソク)氏と関連して、「日本版の黄禹錫だな」とする声もあった。

さらに、「論文不正問題は韓国でも同じだ。教授という小説家が作り出す新たな作品は何もない。単に日米の本を翻訳しているだけ」と、自国の現状を卑下するコメントもあった。(翻訳・編集/三田)