2017年8月26日、韓国の与党議員が「勤労」は日帝時代(日本の植民地時代)の遺物だとして、すべての法律で「労働」に言い換えるよう提唱している。廬武鉉政権当時の「親日退治」をほうふつさせる主張だが、韓国紙は「その本質が『働くこと』である点に変わりはない」と指摘。冷ややかに反応している。

韓国メディアによると、文在寅大統領の与党「共に民主党」の第2政策調整委員長を務める朴光温議員は20日、すべての法律で「勤労」の代わりに「労働」という言葉を使用するよう定める法案を代表発議したと明らかにした。朴議員は「『勤労』は勤労挺身(ていしん)隊に由来する言葉であり、日帝時代の遺物だ」と説明している。

対象となるのは勤労基準法、勤労福祉基本法など計12件。法案が通過すれば「勤労」という単語が含む法律の名称はすべて「労働」に変更される。内容も例えば「勤労者」は「労働者」に、「勤労時間」は「労働時間」になる。

朴議員は「国際労働機関(ILO)や世界の立法例でも『勤労者』という用語は使っておらず、漢字文化圏である中国・台湾・日本の労働法でも使われていない」と例示。「『労働』は対等の位置での能動的な行為を指すが、『勤労』は忠実で勤勉という意味が強調されており、受動的で雇い主に従属するという概念がある」としている。

韓国では盧政権下の2004〜05年にかけて、「過去の清算」として「日帝強占下親日反民族行為真相究明に関する特別法」や「親日反民族行為者財産の国家帰属に関する特別法」が制定され、植民地時代の対日協力者を調査し、本人やその子孫の財産を没収することが認められた。盧政権の系譜につながる文政権の誕生で、「過去の清算」が再び頭をもたげてきたかにも見える。

「勤労」から「労働」への言い換えについて、朝鮮日報は「問題が解決するのか」との社説で、「見直すことには確かにそれなりの理由があるのかもしれない。しかし、その本質が『働くこと』である点に変わりはない」と前置き。「韓国社会における今の問題は、『仕事』と『雇用』をいかに守り、そして増やすかという点だ。言葉だけを100回見直したとしても、労働分野をはじめとする社会の構造改革が行われなければ、雇用はいつまでたっても改善しない」と論じた。

さらに「現政権が最も力を入れる非正規社員の正社員化や若年失業問題は、いずれも労働改革なしには解決しない」と強調。「労働改革という根本問題を放置し、言葉だけをまずは見直すという発想は、単に見せることだけが目的と言わざるを得ない」と批判している。(編集/日向)