2017年8月1日、韓国で先月末に公開されヒット中の映画「軍艦島」のリュ・スンワン監督が、指摘されている同作での歴史の歪曲(わいきょく)問題について反論した。韓国・OSENなどが伝えた。

同作は、第2次大戦中に長崎・端島(軍艦島)に強制徴用された朝鮮人らが、命懸けで島からの脱出を試みる姿を描いたもの。炭坑で多くの朝鮮半島出身者が働いた史実を基に創作したフィクションなのだが、韓国では公開直後から「歴史を歪曲したストーリーだ」と批判が強まっていた。

リュ監督は1日、ソウル市内で行われたインタビューで「事実を事実でないと言うとか、事実でないことを事実だと言うのが歪曲だ。この映画でどの部分(が歪曲)なのか逆に聞きたい」として、歪曲との指摘に反論した。同作が「事実を基にした創作」であることはすでに明らかにしている上、「作られた人物や事件は、その時代的背景なしにはあり得ないものだった」との説明だ。

また、創作部分である脱出シーンについては歴史家や軍事専門家の力も借りて脱出経路などの検討を行い、戦闘シーンの武器も当時実際に島に配備されたものをセッティングするなど、十分な考証を経て撮影に臨んだとして、歪曲との批判は「この映画を作った人間として不当な扱いだと思う」と語った。

しかし韓国のネットユーザーの多くは、監督の反論に納得できないようだ。記事には「どこが間違っているかも分からないなんて。それが間違いの大元だよ」「間違いが分からないならドキュメンタリーを見たら?」「生存してらっしゃる方に話を聞いて作った映画じゃないの?」といった意見や、「本当にがっかり」「不愉快」「不買だ」と拒否感をあらわにする声も目立つ。

また、「歴史において明確な加害者である日本を巧妙に加害者としては描かず、親日派の韓国人の問題にしてしまった点が一番の歪曲では?リュ監督の歴史認識は最低だ」と、具体的に問題点を指摘するコメントもあった。

なおリュ監督は、6月に開かれた同作の制作発表会で「作品にどの程度の事実が含まれているか」と問われ、「事実が何%と言うことはできない」「ドキュメンタリーと思って作った作品ではない」と答えていた。

同作は7月26日の公開初日から韓国映画史を塗り替える勢いで観客動員数を伸ばし、公開6日目の31日までに453万人余りを動員するヒット作となっている。(編集/吉金)