中国の一部地域で、共産党員などを主な対象に、クリスマスに関連する活動を抑圧する動きが出ている。背景には共産党や習近平国家主席(共産党党書記)が今年(2017年)になり強調している自国文化尊重の方針があるとみられる。

21日付の湖南省メディアの紅網によると、同省衡陽市の共産党委員会は最近になり、元旦から春節(旧正月、2018年は2月16日)にかけての期間について、党中央の方針に基づいて官僚主義・形式主義・ぜいたく・浪費を排除する通知を出した。

同通知はクリスマスについて「西洋を崇拝」するものであり、「宗教的な色彩」を強く帯びているとして、党員幹部が街頭での関連活動などに参加することを禁止し、監督とチェックを行う方針を示した。

米国議会が出資するメディアのラジオ・フリー・アジア(RFA)は20日、甘粛省張掖市当局は商業施設でのクリスマスツリーなどの飾り付けを禁止したと伝えた。米国メディアのボイス・オブ・アメリカ(VOA)は22日、遼寧省瀋陽市でも、大学における中国共産主義青年団(共青団、共産党の関連組織)が、クリスマスの雰囲気を極力排除するよう求めた。

同団関係者の1人は「近年、西側文化の影響と、個別の商店のあおり立て、インターネットにおける世論のミスリードで、一部の若者が盲目的に西洋の祝日を追い求めている」などと、クリスマスに関連する活動を批判したという。

インターネットには、クリスマスは西洋列強の中国侵略に伴い導入されたとして、「屈辱の祝日」と主張する投稿も見られるようになった。VOAによると、安徽省共青団もSNSを通じて「クリスマスは中国にとっての『屈辱の祝日』とみなすべきだ」と表明した。

中国の一部地域で発生した「クリスマス抑圧」の動きの背景には、習近平国家主席が10月の党大会で「中国人は自らの祝日を慶祝すべきだ」と述べたことがあるとみられている。また、中国共産党と中央政府が1月に発表した「中華の優秀な伝統文化の継承と発展の作業についての意見」に、春節や端午、七夕など中国の伝統的な祝日を振興することが盛り込まれたことも関係しているとの見方がある。

中国では、習近平政権が権力の集中に力を入れており、地方の共産党幹部にとっては中央政権に対する「忠誠心」を示すことが自らの「生き残り」に直結する状態になっている。これまでのところ「クリスマス抑圧」は一部地域にとどまり、全国的な動きにはなっていない。クリスマスに対する厳しい姿勢は中央の直接の指導を受けたものではなく、個別の地域の指導者が習近平政権の方針を「忖度(そんたく)」して進めている可能性がある。(翻訳・編集/如月隼人)