2019年10月10日、中国メディアの環球網は、村上春樹氏がまたもノーベル文学賞を逃した理由について分析する記事を掲載した。

記事は、スウェーデン・アカデミーが10日、18年と19年のノーベル文学賞受賞者を発表し、18年はポーランドの女性作家オルガ・トカルチュク氏、19年はオーストリアの作家ペーター・ハントケ氏に授与するとしたことを紹介。「これは、今年も村上氏が受賞を逃したことを意味する」と指摘した。

その上で記事は、「村上氏はもう何年もノーベル文学賞受賞の有力な候補者となっている」と紹介。これは民間のブックメーカーの賭け率で毎年上位に入っていることを指しているようだが、記事は「村上氏自身は、ノーベル賞には関心を持っていないのかもしれない」と伝えた。

しかし、周囲からノーベル賞受賞を期待されているのは周知の事実だ。では、毎年のように「有力な候補者」となりながら、受賞を逃し続けているのはなぜだろうか?記事は、「ノーベル文学賞はまじめで厳粛な作品に偏る傾向がある」と指摘。村上氏の作品は「通俗的傾向が強い」ため、受賞を逃しているのではないかと分析した。

記事によると、村上氏がノーベル賞を受賞する見込みはほとんどないという見方もあるという。「彼の作品は、現実社会に対する関心度が高くはなく、純文学の世界で特別認められているわけではない」との評論家の意見を紹介し、村上氏はずっと話題になるだけかもしれないとしている。

しかし、村上氏の作品を翻訳した林少華(リン・シャオホア)氏は、「村上氏の作品は通常の意味合いの通俗文学とは異なり、知性と審美を追求したまじめな文学」と語った。そして「その文学性から言ってノーベル賞に値する」と述べ、ノーベル賞を受賞する可能性は十分にあるとの見方を示した。(翻訳・編集/山中)